浄瑠璃「浄瑠璃御前物語」
あらすじ…源義経が東国へ下向する途中、美少女・浄瑠璃御前と出会い、契りを交わす。だが、義経はすぐに東国へ旅立ち…。
浄瑠璃御前にしてみれば、14歳で処女を捧げた男がすぐに立ち去って、一日千秋の思いで待っていると、届いた手紙に書いてあるのが「もう死にそう」。それで旅に出たこともないのに無理して駆けつけると、愛しい男は砂に埋もれて死んでいた。そりゃあ泣きたくなりますわいな。
ちなみにこの後、浄瑠璃御前の涙によって義経は蘇生します(薬師パワー?)。そして回復した義経は大天狗・小天狗を召喚し、浄瑠璃御前と侍女を自宅に送り届けさせ、自分は奥州への旅を再開します。…ん? ちょっと待てよ、そんなにすごいものを召喚できるのなら、最初からそれを使って旅をすればよかったのに。
【参考文献】
信多純一・坂口弘之校注『古浄瑠璃 説経集 新日本古典文学大系90』岩波書店
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