ホルヘ・ルイス・ボルヘス「不死の人」
あらすじ…古代ローマの軍事行政官ルーフスが、ひょんなことから不死の水が流れる川(及び、不死の人の町)の存在を知り、探索の旅に出る。
不死を求めて旅に出る、というのはギルガメシュ叙事詩にもありますな。ギルガメシュは不死の存在になるのに失敗しましたが、こちらは成功したようです。
ちなみに、作品中にこんな文章がありました。尚、引用文中の二人とはルーフスとホメロスのことです。
私がここまで語ってきた話は、二人の異なった人間の身に起こったことがない交ぜにされているので、非現実的に思われるかもしれない。(P32)
この言い訳があると、ストーリーの整合性におかしなところがあったり、論理的に矛盾している箇所があったとしても許容されてしまうかもしれません。どうしてそうなってしまったのかはさておき、この言い訳は便利だ。
【参考文献】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』平凡社
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