ホルヘ・ルイス・ボルヘス「死んだ男」
あらすじ…やくざ者のベンハミン・オタロラはウルグアイの密輸業者のボス、アセベード・バンデイラの部下になり、次第に頭角を現わす。だが…。
南米ノワールともいうべき作品。
本作の表現を借りるならば、オタロラは「粋がって向こう意気の強いところを見せるしか能のないけちなやくざもの」(P36)です。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、オタロラが最後にあのように見事に欺かれたのを見ると、彼がボスになろうとして失敗するのは当然のような気がします。
狡猾さが足りない、といったところでしょうか。
【参考文献】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』平凡社
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