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近松門左衛門『双生隅田川(ふたごすみだがわ)』

あらすじ…平安時代後期、吉田の少将藤原行房は日吉大社の大鳥居の造営を命じられる。行房の妻の兄で奉行の常陸の大掾百連が、集められた材木の質が悪いと文句を言う。とそこへ、執権(家老)の勘解由兵衛景逸が見事な杉の木材を運び込んでくる。比良の魔所で切り出してきたのだという。

 あらすじは序盤までにとどめておきましたが、この後、梅若と松若が実は双子であると明かされたり、行房の妻が殺されたり、比良の大天狗が松若を拉致したり、掛軸の鯉が逃げ出したり、班女が裁判で発狂したりと、一々書いていられないくらい込み入ってきます。とりあえず理解の一助として人物相関図を載せておきます。

双生隅田川

 尚、梅若・松若は梅若丸・松若丸とも表記するようですが、注釈や解説文では梅若・松若と表記されていたのでこれにならいました。

 さて、本作は謡曲「角田川」を源流として近松がアレンジを加えたものですが、その特色の一つに「梅若と松若は双子」というものがあります。双子で容姿がそっくりであるため、母親(班女)でさえも見間違えるくだり(P73-74)が出てきます。
 とはいえ、双子であることによる取り違えは、シェイクスピアの『十二夜』ほど頻出するわけではないので、双子という設定を『十二夜』ほど活用しきっているとは言いがたいようです。

【参考文献】
松崎仁・原道夫・井口洋・大崎正叔『近松浄瑠璃集 下 新日本古典文学大系92』岩波書店

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