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堀田六林『蓬左狂者伝(ほうさきょうしゃでん)』

 解説文によると、「本書は尾張藩士堀田六林が記した、名古屋城下における奇人・狂人の行状記」(P44)とのこと。
 奇人ならば世間の耳目を集めてそれが書き遺されることもあるかもしれませんが、狂人となると…精神科医・心理学者の出番ですかね。

 さて、本書で取り上げられている狂者を見ると、下層民が多いという印象を受けました。
 阿小三や久米は零落した無職であり、おどり婆ゝと与次郎は門付け、街頭卜者と琵琶橋盲人は零細の占い師、作之右衛門は河原の石売り、自覚と惣助は物乞い。他にもまだまだいますが、省略。
 ちなみに下層民に分類されないであろう人物もいて、商家の居候の「石廻り」や、富豪の家の出身で物乞いの真似事をする呉藍坊などがこれに該当します。

【参考文献】
多治比郁夫・中野三敏校注『当代江戸百化物 在津記事 仮名世記 新日本古典文学大系97』岩波書店

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