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四方山人(大田南畝)『此奴和日本(こいつはにっぽん)』

 日本かぶれの中国人・塩秀才の物語。
 ハテ、塩とは珍しい姓だなと思っていたら、父親がお金持ちの塩商人で、名を塩商(えんじょう)という。実に安直なネーミングですな。日本に喩えるなら、日本人の塩商人の名前が塩売商人(しおうりあきひと)というようなものです。
 まあ、別にそんなところでリアリティを求めても詮ないので、このくらいにしておきます。

 さて、主人公の塩秀才ですが、平仮名を習ったり和歌を詠んだり長唄を聞いたりと、(親のスネを齧りながら)なかなかの日本趣味を発揮しています。で、色々あって親から勘当されると筏に乗って日本へ渡り、住吉大明神と会っています(P223)。
P223, 住吉大明神が塩秀才に説教する図

 ちなみに住吉大明神から塩秀才に「御異見あり」(P224)とありますが、その内容については書かれていません。まあ、勘当息子に対して爺が言うことといえばおおよそ見当がつく(例:遊蕩するな、素行を改めろ、働け等)から省略したのかもしれません。

【参考文献】
木村八重子・宇田敏彦・小池正胤校注『草双紙集 新日本古典文学大系83』岩波書店

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