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『狸の土産(いえづと)』

あらすじ…坂田金時の夢の中に黄石公(張良に兵法書を授けた仙人)が現われ、笠森の松の大木の下に名鉄があって、その鉄で剣を作れば天下無双の一振りになると告げる。金時が人夫を集めて言われた場所を掘らせてみると、茶釜が出てきた。しかもその茶釜に翼が生えて空を飛んだ。

 この後、坂田金時は茶釜を追いかけて穴の中の異世界へ行き、そこで一つ目小僧や猫また、化け狸などの妖怪と格闘します。さすがに頼光四天王の一人だけあって、このテの化け物との戦いには手馴れているのでしょう。
P153, 妖怪と戦う坂田金時



 で、最後は妖怪たちを降参させて、茶釜とお宝(嘘の玉、狸の腹鼓、金の干皮)を貰い、更には狐のお千を嫁に貰って(妖姦? 獣姦?)、元の世界に凱旋します。

 ちなみに、金時は茶釜で剣を作ることはしていません。まあ、彼は幼少時には足柄山で熊と相撲を取るほどの怪力の持ち主だから、名剣は必要ないのかもしれません。

【参考文献】
木村八重子・宇田敏彦・小池正胤校注『草双紙集 新日本古典文学大系83』岩波書店

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