松岡和子訳『シンベリン シェイクスピア全集22』筑摩書房
あらすじ…ブリテン王シンベリンの娘イノジェンは、イタリア人ヤーキモーの罠にはまり、不貞を疑われる。嫉妬に狂う夫ポステュマスの殺意を知らぬまま、イノジェンは男装してウェールズへ行くが、薬で仮死状態になった彼女の傍らにはいつしか夫の首のない死体が――。(裏表紙の紹介文より引用)
上記に引用した紹介文には続きがあって、「最後は赦しと幸福な結末を迎える」とあります。これでどうやってハッピーエンドになるのかと思っていたら、まさかそう来るとは…。
諸々の事件の真相を見て知っている観客はともかくとして、それらをロクに知らないで最後に一挙に知らされることになったシンベリンにとっては、急展開すぎて卒倒してもおかしくはないでしょう。
あ、ちなみに作品のタイトルは「シンベリン」ですが、主人公はシンベリンではありません。彼は脇役です。寧ろ主人公と呼ぶべきなのはイノジェンとポステュマスです。
« エドワード・D・ホック「モントリオールの醜聞」 | トップページ | バーバラ・オウエンズ「軒の下の雲」 »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 浅田次郎「ひなまつり」(2018.07.14)
- コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』新潮社(2011.11.30)
- 浅田次郎「薔薇盗人」(2018.07.15)
- 浅田次郎「佳人」(2018.07.13)
- 浅田次郎「奈落」(2018.07.12)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/277935/48653094
この記事へのトラックバック一覧です: 松岡和子訳『シンベリン シェイクスピア全集22』筑摩書房:
コメント