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謡曲「猩々」

あらすじ…揚子の里に住む高風が、潯陽の江のほとりで、酒を用意して友人の猩々が来るのを待つ。夜、猩々が現われる。

 冒頭で高風が酒を売ることになった経緯や、猩々と出会った次第を語っています。
 尚、この謡曲のストーリー自体は短いので、ちょっと物足りない感じがします。そこで、もしもこれをもう少し長くするとしたら、と考えてみました。
 まず前半の舞台を揚子の市として、高風が登場し自分の身上を語る。とそこへ人間の振りをした猩々がやってきて酒を買い求める。高風と猩々の問答から猩々は自分の正体を明かし、再会を約して退場。
 そして後半の舞台は潯陽の江のほとりで、高風が待つところから。
 などと空想していたら、解説文に、

 現在は高風の<名ノリ>を受けすぐ猩々(本体)が登場する一場形式であるが、元来は<名ノリ>のあと潯陽の江のほとりで童子(猩々の仮の姿)に会い、素性や名を問い、酒徳を讃美し、再来を約して波に消える場面のある二場形式であった(「猩々前」「中入猩々」などと呼ぶ)。(P412)

 とありました。なんだ、そうだったのか。

【参考文献】
西野春雄校注『謡曲百番』岩波書店

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