謡曲「紅葉狩」
あらすじ…平維茂「戸隠山に行ったら高貴な女性が紅葉狩りに来ていて酒を振舞ってくれたけど、その女は実は戸隠山の鬼だったでござる」の巻。
いわゆるハニートラップというやつです。
ちなみに平維茂が戸隠山へ来た理由は、物語の中盤で「八幡の末社」(P191)が明かしていますが、それによると「勅命により維茂が戸隠山の鬼神退治のため山に分け入った」(P191)とのこと。
つまり観光・物見遊山などではなく戦うために来ているのであり、しかも戸隠山に鬼がいることは充分わかっているから警戒してしかるべきなのに、彼は女性にすすめられるままに酒を飲んで眠ってしまいます。どうやら女性への耐性は弱かったようです。
とはいえ、この後で平維茂は鬼退治をきっちりと成し遂げており、ハニートラップに引っかかってキ○タマを握られたままの誰かさんとは大違いですな。
【参考文献】
西野春雄校注『謡曲百番』岩波書店
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武田静澄著『日本の伝説の旅(上)』社会思想研究会出版部(7)紅葉狩
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