松岡和子訳『トロイラスとクレシダ シェイクスピア全集23』筑摩書房
あらすじ…トロイ戦争は終盤にさしかかり、トロイの王子トロイラスは、恋い焦がれていたクレシダと結ばれて永遠の愛を誓うが、クレシダはギリシャ軍に引き渡される。その後ギリシャ陣営でトロイラスが目撃したのは、ディオメデスの愛を受け入れるクレシダの姿だった――。(本書裏表紙の紹介文より引用)
トロイア戦争の結末を知っているから、トロイラスには悲劇しか待ち受けていないだろうなあ…と思って読み進めていたら、「えっ、そこで終幕にするの?」というところで話が終わってしまいました。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、トロイラスもディオメデスもまだまだお互いに殺る気充分といった状態です。
とはいえ、失恋(破局)が確定した以上は、あまり長々とその状態を続けてもダラダラしてしまうでしょう。それなら、あそこで打ち切るのもやむをえないのかもしれません。
« ジャック・P・ネルソン「イタチ」 | トップページ | 東京都知事選挙 選挙公報(1) »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- マーク・トウェイン「名探偵誕生」(2023.09.07)
- W・ハイデンフェルト「<引立て役倶楽部>の不快な事件」(2023.09.06)
- アンソニイ・バウチャー「テルト最大の偉人」(2023.09.05)
- オーガスト・ダーレス「怯える准男爵」(2023.09.04)
- アガサ・クリスティー「消えた貴婦人」(2023.09.03)
コメント