直木三十五「弁慶と九九九事件」
武蔵坊弁慶が五条の橋で千本の刀を集めるエピソードをユーモラスに書いています。
「知恵蔵しっかり」
「伝ちゃん、やんなはれ」
「ちいたかたった、ちいたった」(P93)
このあたりのセリフは私には何が何やら…。知恵蔵は昔の時代劇スター・片岡知恵蔵だと思われます。だとすると、伝ちゃんも時代劇のスターである可能性が高いのですが、…う~ん、大河内伝次郎かな?
【参考文献】
末國善己編『短篇小説集 源義経の時代』作品社
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武蔵坊弁慶が五条の橋で千本の刀を集めるエピソードをユーモラスに書いています。
「知恵蔵しっかり」
「伝ちゃん、やんなはれ」
「ちいたかたった、ちいたった」(P93)
このあたりのセリフは私には何が何やら…。知恵蔵は昔の時代劇スター・片岡知恵蔵だと思われます。だとすると、伝ちゃんも時代劇のスターである可能性が高いのですが、…う~ん、大河内伝次郎かな?
【参考文献】
末國善己編『短篇小説集 源義経の時代』作品社
・中松義郎
いわゆるドクター中松です。
○本物の第三極
・中松義郎は、過去に二十年以上完全無所属として都知事選に立候補している本物の第三極で東京都では約50%を占める無党派の唯一で本物の代表です。
第三極がブームになっているからか、それにちゃっかり便乗しています。でも、この人は第三極というよりネタ枠に分類されるのが適当じゃないでしょうか。
それと、無党派ってことは、幸福実現党との関係は切れたのかな?
・猪瀬直樹
今回注目したのは顔写真です。普段笑わない人間が無理に笑顔を作ろうとして変な顔になっている感じがします。この人はやはりムッツリしている方が似合うんでしょうなあ。
近所の図書館へ本を返しに行ったら選挙公報が置いてありました。そういえばまだチェックしていなかったなと思い、一部取りました。(※1)
・マック赤坂
政見放送でこの人がスーパーマンのコスプレをして登場した時には大笑いしました。しかも、政治の話はそっちのけでスマイルセラピーを延々とやっているという有様。
それでは選挙公報ではどうかというと、一応、政策らしきものを掲げてはいるものの、スマイルセラピーやら恋愛セラピーやらのネタが随所に散らばっています。
そんな中で私が注目したのはこちら。
(3)スマイル特区に
スマイル・あいさつが出来るスマイル教育。
眉間にシワで東京都の街頭を歩いた時は東京都迷惑防止条例により3万円の罰金刑に処す。
ちょっと待て。私は近眼だから、遠くを見る時は目を細めるし、その際には眉間にシワが寄ることだってある。だから、こんな条例ができたら街を歩けなくなります。
・五十嵐政一
43年実業実践経験活躍中
景気回復
実行
と大書しています。達筆で結構なのですが、肝心の中身がスカスカ状態です。例えば「活躍中」とありますけど具体的に何をやっているのかサッパリ書かれていないし(そもそも候補者のプロフィールすらない!)、景気回復だって関連のありそうなものといえば「1.築地市場跡地と大田区羽田空港の跡地に全世界の外国人観光客誘致する為国際エンターテイメント娯楽施設の開発および対策。」(※2)と書いてあるくらいで、新銀行東京や五輪招致への言及は一切ありません。
※1.選挙公報取得および本稿執筆は都知事選の最中に行ないました。
※2.後ほど、この人の政見放送を観たところ、どうやらそこにカジノを建設したいらしい。
あらすじ…トロイ戦争は終盤にさしかかり、トロイの王子トロイラスは、恋い焦がれていたクレシダと結ばれて永遠の愛を誓うが、クレシダはギリシャ軍に引き渡される。その後ギリシャ陣営でトロイラスが目撃したのは、ディオメデスの愛を受け入れるクレシダの姿だった――。(本書裏表紙の紹介文より引用)
トロイア戦争の結末を知っているから、トロイラスには悲劇しか待ち受けていないだろうなあ…と思って読み進めていたら、「えっ、そこで終幕にするの?」というところで話が終わってしまいました。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、トロイラスもディオメデスもまだまだお互いに殺る気充分といった状態です。
とはいえ、失恋(破局)が確定した以上は、あまり長々とその状態を続けてもダラダラしてしまうでしょう。それなら、あそこで打ち切るのもやむをえないのかもしれません。
あらすじ…敏腕弁護士マイケル・ベリーは、刑事裁判で凶悪な殺人犯モートン・ジャンソンの弁護を担当し、無罪を勝ち取る。その後、親友からレストランへ呼ばれたとの連絡があったのでレストランへ行くと、そこには被害者の夫がいた。
モートン・ジャンソンがダニエル・フライの妻子を殺害した事件では、「血まみれのナイフ」(P332)という証拠があるにもかかわらず(指紋はついていなかったのだろうか?)、陪審員たちは無罪の評決を下しています。この刑事裁判については詳細に描写されていないので推測するしかないのですが、弁護士がよっぽど優秀なのでしょうけれども、有罪に追い込めない検察が無能すぎる。
あらすじ…セレナ・ピアス(後の女スパイ、セレナ・ミード)は、旧友の頼みを受けて冷戦下のモスクワへツアー客を装って単身赴く。その旧友の祖父が書き遺した詩の原稿を密かに受け取って国外へ持ち出すのだ。
本作の主人公セレナ・ミードは「仕事」でロシアへ潜入するのかと思ったら、実はプライベートでした。物語の随所でスパイの手口を使っているからプライベートで休暇を楽しんでいるというわけではなく、プライベートで「仕事」をしているといった方がいいのかもしれませんが、とにかくプライベートです。
あらすじ…ジョージ・オーム助教授が推理小説家のガイホン・ゴアに、作品中にある科学上の誤りを指摘する手紙を送り続ける。そしてついに…。
結局、オーム助教授は殺され、捜査に当たった刑事が「この事件はどうも迷宮入りしそうな気がしてなりません」(P285)と述べて物語が終わっています。
しかし、ゴアからオームに送った手紙や、(もしあればの話だが)オームからゴアに送った手紙のコピーがオームの自宅もしくは職場から見つかれば、重要な手がかりとなるでしょう。
あらすじ…少年グループが空気銃を盗み出して強盗する。ペトレラ警部がひょんなことから少年の一人を逮捕し、他の仲間も捕まえようと捜査に乗り出す。
タイトルに「ちびっ子」とありますが、彼らは中学生~高校生くらいの年齢です。彼らをちびっ子と呼ぶには無理があります。「少年盗賊団」とした方がいいかもしれません。
とはいえ、彼らは所詮はガキ。杜撰な犯行計画を立てていて、私は読んでいてどうも厭な予感しかしませんでした(予感が的中したか外れたかについてはネタバレ防止のために伏せておきます)。
あらすじ…元刑事で今は市立図書館に勤務しているハルのところへランドール警部が電話をかけ、殺人事件の捜査に二人で取り組む。
事実の提示が不充分すぎるし、ランドール警部が事前に把握している情報をハルに充分に伝えていません。おいおい、相棒(この場合にはハル)にそこまで隠しちゃっていいんですか?
うーん、これなら読者が推理を的中させなくても、読者の力不足にはならないでしょうな。
あらすじ…夫を亡くしたばかりのエリナーが、4歳の息子クリスを連れてコネティカットの借家に移り住む。その家の庭には池があった。
ミステリーというよりホラーともいうべき短篇作品。
こんなことを書くと不謹慎かもしれませんが、4歳の子供がいつ池で溺れ死ぬか怖々としながら読み進めました。
アドルフ・ヒトラー『わが闘争』のレビューの間がだいぶ開いてしまいました。これからはもうちょっとペースアップしたいところですが、本書を読む際には大量の精神エネルギーと時間が必要なので、なかなか難しいところです。
さて、「第十章 連邦主義の仮面」でヒトラーは連邦主義を批判しています。ヒトラーの目指していた国家はドイツ人のドイツ人によるドイツ人のための単一国家であるので(彼の「作品」ともいうべきドイツ第三帝国を見よ!)、ドイツを連邦国家にするのに反対なのは当然でしょう。
ただ、例によって例の如くユダヤ陰謀論となると…
かつてユダヤ人が何年にもわたって世論を連邦主義と中央集権主義の間の争いに没頭させて、かれらをそれによって困憊させ、その間に国民の自由を駆引して売り、わが祖国の秘密を国際的な財政上層部にもたらすことを心得ていたように、いまもまたドイツの二宗派を相互に衝突させることに成功したのだ。その間に両方の起訴は国際的な世界ユダヤ人の毒によって腐蝕され、危くされたのだった。(P242)
ちなみに引用文中にある二宗派とはカトリックとプロテスタントのことです。
まあ、反ユダヤ主義はヒトラーらしいと言えますけどね。それにしても「世界ユダヤ人」とは大がかりですな。
【参考文献】
アドルフ・ヒトラー『わが闘争(下)』角川書店
自宅で手軽にパンが作れる機械、ホームベーカリー。そのホームベーカリーを使ったパンのレシピ集です。
コーンパン(P9)やコーヒー牛乳パン(P15)ならまだわかるのですが、中にはお好み焼きブレッド(P24)やコーラブレッド(P33)などといった変り種も。コーラなんて入れちゃっていいのか!? …まあ、私はコーラブレッドを作るのはやめておきます。
さて、レシピを眺めているだけでは意味がないので、今回私は「ほうれん草ブレッド」(P67)を作ってみました。
ほうれん草をゆでて水を切り、細かく刻んで投入するという簡単なものですが、いざ作ってみると、ほうれん草の刻みが少々粗かったかもしれません。
ちなみにパンはこの後おいしくいただきました。
あらすじ…樺太を旅行中に資金が底を着いた大学生二人が缶詰工場で働くことになる。
前半は缶詰工場での過酷な勤務を描いていることからプロレタリア文学かなと思いましたが、後半に入ると「私」と秋元とチャルクの三角関係が出てくるので恋愛小説になったのか…いや、プロレタリアートだって恋はするわけだから、これはプロレタリア文学に恋愛要素が入っていると見た方がいいでしょう。
ちなみにタイトルの「海豹」ですが、海に浮かんでいるのが見えるだけです。あとは毛皮になっているくらいで、特にストーリーにからんでくるということはありません。あ、でも、主人公は海豹を眺めていると「不思議に悩ましい気持にかられて来る」(P281)とあることから、主人公の感受性に何か訴えるものがあったようです。
あらすじ…ニューヨークのネロ・ウルフ探偵事務所に弁護士の秘書バーサ・アーロンが訪ねてくる。だが、彼女は待っている間に何者かに殺されてしまった。
とりあえず人物相関図を作ってみました。
これ以外にも刑事などが登場しますが省略。尚、法律事務所の正式名称は「オーティス・エディ・ハイデッカー・アンド・ジェット法律事務所」と非常に長いので、上図ではただ単に「法律事務所」と表記しました。
ちなみに本作の原題「Eeny Meeny Murder Mo」についてですが、調べてみたところ、どうやら子供の数え歌「どちらにしようかな」の英語版「Eeny, meeny, miney, mo」(地域などによって異同あり)をもじったもののようです。
あらすじ…貨物船S丸に乗って南米から日本へ久しぶりに帰国したOは、山に登りたくなる。
作品中に「鳥渡」(P195)なる語があるのが目を引きました。これ何て読むんだ?
そこで調べてみたところ、広辞苑の「ちょっと」の項に「一寸/鳥渡」とあるのを発見。なるほど、鳥渡は「ちょっと」と読むのか。それは鳥渡わからなかったな。
あらすじ…パズル・クラブの面々が、エラリイ・クイーンに謎(パズル)を出す。
ここで出された謎というのは、三人の容疑者の中から「the odd man of the three」をヒントに犯人を当てるというものです。英和辞典を引いてみるとわかりますが、oddには複数の意味があって、どの意味を取るかで迷わせる仕掛けになっています。
ところがどっこい、邦題を見ると…仲間はずれですかそうですか。
あらすじ…「僕」はふとしたことがきっかけで子供の頃(20年前)に親交のあった老婆ミス・エスパーソンのことを思い出す。
解説文によると「スティーヴン・グレンドン(一九〇九~七一)とは、本書の編纂者オーガスト・ダーレスの別名である」(P98)とのこと。ということは、本作がオーガスト・ダーレスの名義で収録されている本もあるかもしれません。
それはさておき、ミス・エスパーソンについて。
彼女は英領西インド諸島の生まれで、父親がそこで領事をしていた時に子供だった彼女は土地の超能力を持つ黒人から多くのことを学んだというのだ。(P100)
西インド諸島か…。だとすれば、ミス・エスパーソンが使っていた「魔法」はブードゥー教の呪術だと思われます。
あらすじ…とある少年が孤児となり、祖母パーセルの農場に引き取られる。そこには二人の息子(サイおじさん&ベンおじさん)がいて、両者の仲は悪かった。そんなある日、ベンおじさんが忽然と消える。それからしばらくして祖母が危篤状態となったので、少年がジプシーのサラを呼びに行く。
ベンおじさんが失踪した真相は容易に想像が着きました。一応、ネタバレ防止のために伏せておきますが、犯行の動機は充分に書かれている、とだけ言っておくことにします。
ところで、サラが使った「魔法」はいわゆる反魂の術というやつです。しかもそれを、急に呼ばれてこれといった準備をしていない(そもそもサラが来たのは祖母の治療をするためである)にもかかわらずやってのけています。サラはよっぽど腕のいい魔女に違いない。
監督:寺山修司
出演:菅貫太郎、高野浩幸、八千草薫、原田芳雄、斉藤正治、春川ますみ、新高恵子、三上寛、木村功
原作:寺山修司
あらすじ…恐山に近い村で育った主人公の少年は、村にやってきたサーカスから外の世界を知り、人妻と駆け落ちするように村を出る…という自伝的映画を作る。だが、現実はそんなものではなかった。主人公の男は20年前にタイムスリップし、母を殺そうと企む。
上記をあらすじを読んで「?」と思った人もいるかもしれませんが、映画の内容はもっとわけがわかりません。なぜ顔を白く塗っているのかとか、なぜ川から雛壇が流れてくるのかとか、寺山修司の著作物や研究本などを調べれば意味がわかってくるでしょうが、映画を観ただけではわからない小ネタが満載となっています。
だがしかし、そのわけのわからなさが魔術的魅力を持っていることは確かで、思わず二回観てしまいました。映画を観終えた後も「あれは何だったんだ?」と考えてしまい、そういえばその点ではフェデリコ・フェリーニ監督の「サテリコン」を観た時と同様だったなと感じました。
ちなみにわけがわからないと言いましたが、それでも(私のような者でも)わかったことがあります。
最後の方で少年が、赤ん坊を間引きした女に逆レイプされますが、その時の少年の左腕に腕時計が着いていて、行為を終えた後には一瞬ですが大きく映してさえいます。
これはその前のシーンでの、20年後の自分との会話を憶えていれば理解できます。もうレンタルビデオを返却してしまったので会話の内容は記憶を頼りにするしかないのですが、たしか少年が「僕は明日にでも腕時計を買うことができる。そうすればあなたとは違った生き方ができる」といった趣旨の発言をしています。
だとすればこの腕時計は、20年後の主人公が生きた過去とは別の道を少年が歩み始めたことを象徴的に示しているわけです。
監督:フィリップ・スピンク
出演:テリー・ガー、ジョシュア・ジャクソン、マーゴット・フィンレイ、トムバトラー、アレクサンドラ・パーヴィス、アイリス・クィン
原題:Ronnir and Julie
原作:シェイクスピア『ロミオとジュリエット』
備考:ラブストーリー
あらすじ…将来を嘱望されるアイスホッケー選手のロニー・モンローと、美しいフィギュアスケーター、ジュリー・カペル。二人が出会ったのは、双方の親が出席した政治討論会の場だった。偶然の出会いの中で互いの気持ちを深めていく二人。だが、周囲の思惑は二人を引き裂こうとする。そして、一本のビデオがテレビ局の手に渡ることから物語が動いてゆく。(パッケージ裏の紹介文より引用)
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を現代アメリカに置き換えた作品ですが、「ロミオとジュリエット」が持つ悲劇性を見事に消し去っています。詳しく書くとネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、両家が殺し合いになることはないし、行き違いによる決定的な破滅もない、ましてやロニーもジュリーも現代アメリカの高校生だから政略結婚なんてあろうはずもない。
これはもう別物と考えてよいでしょう。そう考えると、この作品は…リア充高校生同士の甘ったるいラブストーリーですな。
最後にどうでもいい疑問点を一つ。ロニーの母親とジュリーの父親が選挙戦でしのぎを削っていてそれが「両家の政治的対立」となっているのですが、この選挙はいつ終わるんだ?
【関連記事】
シェイクスピア(目次)
あらすじ…作曲家のハサウェイが人里離れた古い空き家に移り住んだ。だが、そこには緑色の醜悪な花瓶があって、それを少しでも動かそうとすれば、屋根裏の開かずの間から恐ろしい物音が聞こえてくるのだった。
比較的早い段階で、過去の経緯を(断片的にせよ)記した紙片がご都合主義的に登場しています。早漏にもほどがある。
あらすじ…自動車事故を起こした男が妹を担いで自宅(カーバー・ハウス)へ戻る。とそこへバーソン保安官がやってくる。
途中まで読んで、妹が一言もしゃべっていないことに気付きました。ということは妹は既に死んでおり、それをさも生きているかのように扱う兄は狂っているということになります。
え? ネタバレするなって? いやいや、ミステリーを少しばかり読んでいればこの程度のことは容易に想像が着くし謎解きを楽しみたいのでしたら物語の途中で突然出現する三人の男の件が残っていますぞ。
アイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズのパロディ作品。
本家作品を読んでからパロディ作品を読むと、本家のどの作品がネタにされているのかがわかって面白い。例えば本題に入る前の無駄なおしゃべりが長いとか、給仕がやたらとでしゃばるとか…。
ともあれ、パロディの効用を再認識させてくれます。
あらすじ…黒後家蜘蛛の会の月例夕食会に手品師のラリが招かれる。ラリは以前、バスの停留所で見知らぬ女性と意気投合し、バスに乗るが、ラリが寝ている間に彼女はどこかで降りてしまう。同乗していた子供によると彼女はロレーヌの十字架のところで降りたという。ラリは後日、ロレーヌの十字架を探すが見つけられなかった。そこで黒後家蜘蛛の会の面々が推理する。
このラリってやつは、今ならストーカーと呼ばれるかもしれませんな。
それはさておき、本作にはロレーヌの十字架の他にも様々な十字架が登場します。キリスト教圏に住んでいない人間にとっては新鮮でした。作品にも登場しない十字架も含めるとかなりの種類の十字架が存在するわけで、十字架の種類について調べてみたら結構骨が折れるかもしれません。
地元の漁民と険悪な関係にある灯台守の日誌。なぜ険悪な関係にあるのかを簡単に説明すると、大体以下の通り。
地元漁民「海難事故がおきたら、人命救助にかこつけてヒャッハーするぞ!」
↓
灯台ができて海難事故激減
↓
地元漁民「灯台のせいでヒャッハーできねえぞ! どうしてくれる!」
略奪経済乙。たとえ漁民が灯台守二人を殺して灯台を破壊したとしても、司直の手が彼らを縛り首にするだろうし(灯台のような大きな建築物を破壊するとなれば目撃者もさぞ多いことだろう)、国家は再び灯台を建てるに決まっているからです(国にとっては一部漁民の不法な利益よりも船舶の安全を守る方が大事)。
あらすじ…アーカムの学校教師ウィリアムズは、不思議な雰囲気を持つ少年アンドリュー・ポッターが気になり、魔女の谷にあるという彼の家を訪問する。
アンドリュー・ポッター? ハリー・ポッターの先祖かな? まあいいや、その辺の推理(もしくは空想)は「熱烈な読者」に任せます。
ちなみに、このアンドリュー・ポッター少年自身は作品中でこれといった魔法を使うわけではありません。寧ろ魔法を使っているのは…いや、これ以上はネタバレになるのでやめておきます。ともあれ、彼が通っているのは普通の学校であり、魔法学校ではないので魔法を使わない(使えない)のも仕方ないかもしれません。
あらすじ…ボストン在住のフランシス・ウェイランド・サーストンは、92歳で亡くなった大伯父ジョージ・ガメル・エインジェル教授の遺品を整理したところ、錠のついた木箱を発見する。その中には、浅浮き彫りの粘土板、新聞記事の切り抜き、メモ類、『クトゥルフ教』と題した大伯父の手記があった。サーストンはそれらを手がかりに調査を開始する。
本作品によると、はるか太古の昔に宇宙から別のもの(<旧支配者>という)が地球へやって来て支配したものの、今では海底に沈んでいるという。そしてもし、<旧支配者>が復活すれば…
そのときになれば誰でもわかる。そして、人類も<旧支配者>に変身し、自由で奔放で、善悪を超越した、規範や道徳にとらわれることのないものとなり、誰もが絶叫しながら殺戮をくり返し、悦楽におぼれるようになるのだ。そして、解放された<旧支配者>は人類に、絶叫しながら殺戮をくり返し、悦楽におぼれるための新たな手段を授け、地球は恍惚と開放感にみちた大殺戮とともに炎につつまれる。(P297-298)
とのこと。だとすれば、ロクでもない連中ですな、この<旧支配者>とやらは。まあ、人間の道徳や規範を超越した存在だから大殺戮をやらかしても平気なのでしょう。
監督:トッド・フィリップス
出演:ブラッド・レイ・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ジャスティン・バーサ、ヘザー・グラハム
原題:The Hangover
備考:コメディ
あらすじ…4人の男が結婚前の独身パーティーをラスベガスでやるが、翌朝になってみるとバスルームに虎がいたりクローゼットに赤ちゃんがいたり肝心の花婿のダグがいなくなっていたり…。三人(教師フィル、歯科医スチュアート、婚約者の弟アラン)は二日酔いに苦しみながらも前夜の行動を辿ることにする。
最初の方でアラン(ザック・ガリフィアナキス)が変わったパンツをはいているのが目を引きました。アレはたしか、ガチムチパンツレスリングで木吉カズヤがはいていましたっけ。
そこで少々調べてみたところ、あのパンツはケツワレ、もしくはケツワレパンツというもので、ケツワレパンツで検索してみるとゲイ系のサイトが山のようにヒットします。つまりあのパンツはゲイ御用達であり、従ってそれをはいているアランはゲイだという設定ですな。
で、そのアランが飲み物(酒)に薬物を混ぜて飲ませる…それってどこの野獣先輩?
ところで、ここまでのレビューは下ネタばかりですが、この映画における下ネタの量と質はこんなものじゃありません。例えばエンディングロールで表示される写真の中にはモザイク入りのものがあるくらいですからね。
監督:ルイス・ブニュエル
出演:ポール・フランクール、ローラン・テルジェフ、アラン・キュニー、エディット・スコブ、ミセル・ピコリ、ピエール・クレマンティ、デルフィーヌ・セイリグ、ベルナール・ヴェルレー
原題:La Voie Lactée
備考:ロードムービー
あらすじ…二人の男(ジャンとピエール)がフランスからスペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラをめざして巡礼の旅をする。
この映画にはキリスト教の異端とされる説がこれでもかこれでもかという具合に次々と出てくるし、作中の登場人物たちも神学論争を繰り広げています。それらを眺めていると、キリスト教の異端学説について事前に勉強しておけばよかったかなとも思いました。
とはいえ、日本においてそのテの情報は必ずしも豊富にあるわけではないのが実情です。そう考えると、先述の後悔も幾分か慰められるかもしれません。
しかしながらそれでも(私のような異教徒でも)、わかったことがあります。例えば最初の方に出てくる、手と胸と額に血の付いている子供は「幼な子イエス」だし、最後の方に出てくるマリリン・モンロー似の娼婦は「サタンの誘惑」です。まあ、ジャンとピエールに誘惑する価値があるとは思えませんが…。
出演:安倍なつみ、内田朝陽、永山毅、飯田圭織、萩原聖人、戸田麻衣子、加護亜衣、余貴美子、大和田獏、市毛良枝、伊東四朗
原作:筒井康隆『時をかける少女』
備考:モーニング娘。新春!LOVEストーリーズ
あらすじ…期末テストも間近に迫ったある土曜日、高校生の芳山和子(安倍なつみ)は理科の実験室で気が遠くなり倒れてしまい、気がついたときには保健室に運ばれていた。この日から、和子の不思議で、切ない体験が幕を開けた。(パッケージ裏の紹介文より引用)
やっぱり入浴シーンがありました。ほんのわずかですが、安倍なつみの入浴シーンが挿入されています。もちろんストーリー上の必然性は全くありません。
それにしても、一人動物園からデートになるって…リア充爆発しろ。
出演:石川梨花、沢村一樹、吉澤ひとみ、矢口真里、高橋愛、紺野あさ美、小川麻琴、新垣里沙、根岸季衣、伊武雅刀、御木本伸介、吉行和子
原作:大和和紀『はいからさんが通る』
備考:モーニング娘。新春!LOVEストーリーズ
あらすじ…時は大正、女性が自分の生き方に目覚め始めた時代、軍人の父(伊武雅刀)に男手一つで育てられた男勝りの紅緒(石川梨花)に、ある日、祖父の代から約束された許嫁がいるという思いもよらない事実が明かされるが…。(パッケージ裏の紹介文より引用)
原作はマンガなのですが、講談社コミックスデザート版では全8巻、講談社マンガ文庫版では全4巻という「長編」です。それをここでは25分にまとめているから、このドラマは話が飛び飛びでダイジェストっぽくなっています。
話があっという間に進むのでなかなか気を抜けません。例えば北小路環(吉澤ひとみ)が伊集院司(沢村一樹)に告白するシーンなんかは、急展開過ぎて正直言ってついていけませんでした。
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