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寺山修司『誰か故郷を想はざる』角川書店

 映画「田園に死す」がワケのわからない作品であったため、この人の著書を読めば何かわかるかと思い、本書を手に取ってみました。本来ならば原作の方をこそ読むべきなのですが、近所の図書館をちょっと探したら適当なのがこれくらいしかなかったので「まあ、とりあえずはこれでいいや」と思った次第。
 それでも本書を読んでいて少しはわかるところがあります。例えば、

 私は小学校に入る頃には、鞍馬天狗の大ファンになっていた。(P16)

 という一文があって、それを読んで「ああ、映画の最初の方に出てくる覆面姿の侍(の幻)は鞍馬天狗だったのか」とわかりました。そもそも古い時代劇ファンならあのシーンを観ただけで鞍馬天狗だと看破できるでしょうが、私は「現役」の鞍馬天狗を映画館でもテレビドラマでもましてやレンタルビデオですらも観たことがないので気付かなかったのです。
 それからP65-68には母親を殺した李庚順を詩にうたったくだりが書かれており、ここには母殺しの思想の萌芽が見て取れます。
 その他にも映画の冒頭のかくれんぼに通じるくだりが「かくれんぼ」(P75-77)に書かれていたりと、丹念に読んでいけば多少なりとも映画に通じる箇所が見つかることでしょう。

【参考文献】
寺山修司『誰か故郷を想はざる』角川書店

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