田中慎弥「不意の償い」
あらすじ…後に妻となる女性と初めてのセックスをした夜に火事でそれぞれの両親4人を失ってしまった主人公の男は、そのことに疚しさを抱えて生きていたが、妻の妊娠を知り…。
主人公が「疚しさ」に苦しみ、苦しむのみならず妄想に取り憑かれてどんどんおかしくなって行きます。見ていて、いや、読んでいて痛々しいったらありゃしない。
この作品は短篇だからまだいいようなものの、もしも長篇だったらそれだけ長々と苦悶や狂気を見せつけられるわけですから、ドMじゃない私は途中で投げ出していたことでしょう。
【参考文献】
田中慎弥『切れた鎖』新潮社
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