G・ガルシア=マルケス「ママ・グランデの葬儀」
あらすじ…マコンドの町を長きにわたって強固に支配したママ・グランデが死に、盛大な葬儀が執り行われる。
ママ・グランデは「九十二年間にわたって統治者として生き」(P215)たとというのは、いかにもありそうにない。しかも、葬儀には共和国大統領やローマ法王まで参列しています。大統領は国内だからともかく、ローマ法王はイタリア半島から南米へわざわざ出かけていますからね。
さすがにローマ法王は…と思っていたら、葬儀の参列者に「マンゴの女王・緑のかぼちゃの女王」(P231)などが登場するくだりを読んで、「あ、これはおとぎ話なんだな」と気付きました。
おとぎ話なら仕方ない。やや政治スパイスが入っているにせよ。
【参考文献】
G・ガルシア=マルケス『悪い時 他9篇』新潮社
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