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ロード・ダンセイニ「もらい手のない<国の種>がヴァルハラから持ち去られた事の次第」

 タイトルは長いですが、話自体はとても短い。
 各地の土地神たちがヴァルハラ(北欧神話の主神オーディンのおわすところ)へ行って「国の種」を貰い、それぞれの領地に蒔いていったが、アイルランドの土地神だけは遅れてやってきたため、そこにあるのは貰い手のない種ばかり。しかし、それを見たアイルランドの土地神は、「母なる女神にかけて、連中、いちばんいいのを置いていったあとだぞ」(P474)と言いました。
 最初に読んだ時は、「残り物に福がある」という諺が思い浮かびました。しかし二度目に読んだ時は、アイルランドの土地神は強がりを言っている、あるいは自分の遅参を正当化しようとする心理が働いて、残った種はいい種だと信じ込もうとしているんじゃないかと思いました。

【参考文献】
ロード・ダンセイニ『時と神々の物語』河出書房新社

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