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アナトール・フランス「亡霊のお彌撤」

あらすじ…村の老婆カトリーヌ・フォンテーヌが亡霊(もうじゃ)の彌撤(ミサ)に参加し、翌朝、自宅で死んでいるのが発見される。

 教会堂の堂守が、墓掘り人だった父親から聞いた話として語る、という形式を取っています。
 そこで一つ疑問点が浮かびました。亡霊のミサの様子がどうやって伝わったのでしょうか?
 生きている者としては唯一の参列者であるカトリーヌが誰かに語ってそれが巡り巡ってこの堂守へと伝わったと考えられますが、彼女は夜のミサに出て翌朝には死んでいるのが発見されました。長く見積もっても、せいぜい数時間の猶予しかありません。そこでちょっと想像してみました。
 亡霊のミサが終わった後、カトリーヌは帰途に着く(ミサが終わったら帰宅するのはいつもの習慣だったろう)。その途中、早起きの村人と出会い(例えばパン屋の朝は早い)、さきほどの異常体験を語る。そして自宅に戻り息を引き取る。
 うん、これなら話が伝わります。

【参考文献】
ランペトゥーザ/A・フランス/メリメ『南欧怪談三題』未来社

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