ロード・ダンセイニ「不運の犠牲者」
あらすじ…二人の小悪党が老人宅に盗みに入るが失敗して捕まる。
二人の泥棒はモースンと「おれ」で、「おれ」の視点で事件が語られます。
ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、この犯行がなぜ失敗してしまったのかというと、「おれは照明を点けた」(P192)ことが原因となっています。語り手の「おれ」は「おれこそ不運の犠牲者だ」(P189)と言っていますが、実は不運の犠牲者は、あんなうっかりミスを犯した「おれ」を相棒にしたモースンの方じゃないかと思えてきます。
【参考文献】
ロード・ダンセイニ『二壜の調味料』早川書房
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