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魯迅「阿Q正伝」

 最下層のルンペン雇農・阿Qの物語…と、ここまで書いてきて、阿Qについてどう述べていいものかちょっと困りました。いや、困るほど複雑な性格ではないのですが、うまい表現が思い浮かばないのです。そこで彼の言行から分析してみたいと思います。まずはこちら。

 《おいら、むかしは――おめえなんかより、ずっと偉かったんだぞ。おめえなんか、なんだってんだ!》(P104)

 この阿Qのセリフからうかがえるのは、知性が全く欠如していることです。本当に昔は偉かったのなら、具体的にはどう偉かったのか(例えば金持ちだったとか官吏だったとか)を言うはずですが、それをしていない。又、このような言い方では誰にも信じてもらえない。阿Qはそのことを自覚しているのかというと、おそらく自覚していないものと思われます。
 又、阿Qは自尊心が強い(P105)、喧嘩では「相手を見て、もし口べたな奴なら罵倒するし、弱そうな奴なら殴りつける」(P106)、職場でいきなり女性をレイプしようとする(P119)、等々…ロクでもないな、こいつ。
 それから、「心に思ったことを、ついあとで口に出してしまう」(P107)というのは後になって彼の墓穴を掘ることにつながります。ともあれ、これでは阿Qと秘密の共有はまず不可能と見てよいでしょう。

結論:阿Qとはお友達にはなりたくない。

【参考文献】
魯迅『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇』岩波書店

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