J.L.ボルヘス「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」
あらすじ…私(ボルヘス)は友人ビオイ=カサレスとの会話からウクバールについて知る。それをきっかけにして更に調べていくと、ウクバールの文学に登場する場所がトレーンであり、偶然見つけたトレーンの百科事典に捺されていたスタンプの文字がオルビス・テルティウスだった。
中盤以降はトレーンの世界を延々と書き綴っています。ただし、トレーンにはドラゴンや妖精などが出てくるわけではなく、言語の構造や哲学などが述べられているので、退屈といえば退屈です。
RPGでは新しい世界を創造することは珍しくないので、このトレーンもそういう新世界だと見なしていいでしょう。ただし、その世界からは神話的なものや怪異等は周到に排除されているので、RPGの世界ではまずお目にかかれないものではありますが。
【参考文献】
J.L.ボルヘス『伝奇集』岩波書店
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