ロード・ダンセイニ「二人の暗殺者」
あらすじ…サン・パラディソの大統領がロンドンを訪れていたが、ドン・ワルドス一味がこの大統領を暗殺しようとしているという情報がスコットランド・ヤードにもたらされる。リンリーが暗殺を阻止すべく、歓迎会で暗殺者を捜す。
今回の敵ドン・ワルドスは、どうやらリンリーよりも格上らしいです。根拠は以下の通り。
彼はまずドン・ワルドスの計画を予想することができないと認めることから始めました。(P89)
要するに、ドン・ワルドスが彼以上に頭のいいことを認めてしまい(P89)
相手が格下の知力の持ち主なら、自分の知力をその人物の知力に落として考えてみる、という手法が使えますが、格上となるとそうはいきません。
そこでどうやってドン・ワルドスの計略を見抜くかというのが本作のキモなのですが、それを明かすとネタバレになってしまうので言うわけにはいきません。ただ、一つだけヒント(らしきもの)を述べるとするなら、策士(ドン・ワルドス)は優秀でも、実行役(二人の暗殺者)となると必ずしもそうとは限らない、ということです。
【参考文献】
ロード・ダンセイニ『二壜の調味料』早川書房
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