ロード・ダンセイニ「一度でたくさん」
あらすじ…第二次世界大戦後。殺人鬼スティーガーがまたもや小金持ちの妻を殺して財産を奪ったらしい。しかも、整形手術で顔を完全に変えているものと思われる。そこでリンリーは一計を案じて、チャリング・クロス駅でスティーガーを待ち受けることにする。
「二壜の調味料」「スラッガー巡査の射殺」「第二戦線」で登場したスティーガーがまたもや立ちはだかります。
まだ野放しにされていたのか! 最初の妻殺しと巡査殺しは証拠がない(スコットランド・ヤードは見つけられなかった)からともかくとして、ドイツのスパイになった件はどうなったんだ?
「クリークブルートの変装」で「スコットランド・ヤードはドイツ人スパイを泳がせておくのが好き」(P106)とあるから、スティーガーも同様に泳がせておいたのかもしれません。そのうちドイツが負けてスパイを失業し、金がなくなったスティーガーは過去に成功した犯罪を繰り返した、といったところでしょうか。
【参考文献】
ロード・ダンセイニ『二壜の調味料』早川書房
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