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ボルヘス「ボルヘスとわたし」

 自分を「ボルヘスという他人」(P158)と突き放して見ることで、自分とボルヘスの関係を述べています。
 これだけではよくわからないと思うので、喩えとして芸能界のアイドルを使って説明してみます。
 ここにAという少女がいます。Aはアイドルデビューに際して、Aという名前では地味だからということでBという芸名で活動することになります。Aは自分(すなわちアイドルB)が活躍するために、歌やダンスに磨きをかけたり、健康や美容に気を使ったりします。やがて人気者となったA(B)ですが、人々が見ているのはBとしての自分であって、Aではないのです。そんな時、Aはどう思うでしょうか?
 さて、ここまで考えることができるのなら、AとBが同一人物であるにもかかわらず、両者を分けて思考していることに気付くはずです。その要領で「わたし」と「ボルヘス」を見ればいくらかの理解ができるのではないでしょうか。

【参考文献】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ボルヘスとわたし 自撰短篇集』筑摩書房

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