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ボルヘス「ペドロ・サルバドーレス」

 秘密警察に追われて9年間も自宅の地下室に隠れていた男の話。この物語の最後に作者はこう言って締めくくっています。

 ペドロ・サルバドーレスの運命は、ほかの多くのことと同じように、われわれが理解できそうでいて、十全に理解することのできない何かの象徴のように思われる。(P196)

 少々回りくどい表現ですが、要するに作者は彼を十分に理解できなかったということでしょう。
 ちなみに私もあんまり理解していませんが、案外、地下室の居心地がよかったのかもしれませんな。
 とはいえ、自宅の地下室に9年間も引きこもっているよりは、ほとぼりが冷めて秘密警察の監視が緩んだ頃に国外へ脱出した方がまだしも健康的ってもんですぜ。

【参考文献】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ボルヘスとわたし 自撰短篇集』筑摩書房

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