ロード・ダンセイニ「ロマの掠奪」
あらすじ…<大笑いする顔>という名のインディアンが仲間を集めてロマの都を襲撃し、大量の掠奪品を携えて帰途に着くが…。
ロマというのはジプシーの別名ですが、こちらのロマとは全くの別物です。というのは、本作の原題は「The Loot of Loma」とあり、ここで掠奪されたのが"Loma"であるのに対し、ジプシー(Gypsy)の方のロマは"Roma"と表記するからです。カタカナ表記だとLとRの区別が付かないのでこんな厄介なことになるんですよねえ。
ちなみに、インディアンの一行は<大笑いする顔>と「三十人の勇者」(P222)であり、合計31人。襲撃後に残ったのはたったの4人というから凄絶な激戦が行われたことがうかがえます(生存率12.9%!)。
それでも、たった31人でロマの都を廃墟にし、「その守護者は全滅の憂き目にあっていた」(P221)…って、こいつらどんだけ無双したんだ?
【参考文献】
ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』河出書房新社
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