ロード・ダンセイニ「ミス・カビッジと伝説の国のドラゴン」
あらすじ…ロンドン在住の令嬢ミス・カビッジは、ある日突然、金色のドラゴンにさらわれて、ドラゴンと共に伝説(ロマンス)の国に住む。
読み終えた後、ミス・カビッジが伝説の国の住人となってしまったことは主観的にはそうであるにせよ、客観的にはそうではないのではないか、と疑いました。つまり、ミス・カビッジは発狂して自分はドラゴンにさらわれて伝説の国に住んでいると思い込んでいるだけなのではないか、と。
物語の最後に、「ガトニーにいる学校のころのお友だち」(P71)から手紙が届きますが、だとすればそこ(伝説の国)とは郵便制度でつながっている場所であり、「あなたには似合わなくてよ」(P71)という文面から、社会通念上あまりいい場所ではないと推測できます。そう、例えば精神病院のような…。
【参考文献】
ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』河出書房新社
« 塩野七生『十字軍物語2』新潮社 | トップページ | ロード・ダンセイニ「女王の涙を求めて」 »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 樋口一葉「この子」(2023.05.16)
- 樋口一葉「わかれ道」(2023.05.15)
- 樋口一葉「うつせみ」(2023.05.14)
- 樋口一葉「ゆく雲」(2023.05.13)
- 樋口一葉「大つごもり」(2023.05.12)
コメント