塩野七生『十字軍物語1』新潮社
「カノッサの屈辱」と「第一回十字軍」につながりがあるとは知りませんでした。詳細は本書に譲るとして、とりあえず以下の文章を引用するにとどめておきます。
ウルバン二世は、大勝負に打って出たのである。先任者のグレゴリウス七世は、雪の中に皇帝を三日三晩立たせておくことでローマ法王の権威を誇示したが、この強硬策のその後を自ら体験したウルバン二世は、ローマ法王の権威を、ローマ法王こそがすべての世俗君主の上に立ち指導できる力を持つということを、何十万という人間を東方に送り出し、武力でイェルサレムを奪還することで示そうとしたのであった。(P24)
こういう「つながり」があるから歴史は面白い。
ちなみにこの後は、十字軍として出征した諸侯たちを中心に記述されていき、第一回十字軍の担い手たちが退場したところで第一巻を終えています。
【参考文献】
塩野七生『十字軍物語1』新潮社
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