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滝口康彦「異聞浪人記」

あらすじ…寛永年間、食い詰め浪人が大名屋敷に押しかけて狂言切腹することが流行っていた。そんなある日、井伊家の屋敷に津雲半四郎という浪人がやって来て、切腹を申し出た。どうせまた狂言切腹だろうと軽侮する老職の斉藤勘解由は、半年前に切腹した千々石求女の話をする。

 映画「切腹」(1962年)・「一命」(2011年)の原作。
 ちなみに私は両映画作品をまだ視聴していないのですが、「一命」で津雲半四郎を演じた市川海老蔵が若すぎるという評判を聞いたことがあります。
 そこで原作の文章をチェックしてみると、津雲半四郎を描写したくだりがみつかりました。ちょっと引用してみます。

 あたりを威圧する堂々たる屋敷構えを目の前にしても、別段ひるんだ様子もないその男は、年の頃かれこれ五十五、六であろうか、一見したところ、いかにも尾羽打ち枯らしたというにふさわしい精悍な風貌の持主である。肩はばの広いいかついからだつきで、がっしりした骨組みの太さが垢じみた着物の上からも容易に想像され、いずれはひとかどの武士のなれの果てに違いなかった。(P8)

 「精悍な風貌」と「いかついからだつき」はいいとして、2011年当時の市川海老蔵は「年の頃かれこれ五十五、六」には見えませんな。又、津雲半四郎には幼い孫がいて、その孫の存在が物語の悲劇性をより一層高めているのですが、少なくともこの時の市川海老蔵には隠し子はいても孫がいるようには見えません。

【参考文献】
滝口康彦『一命』講談社

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