無料ブログはココログ

« 川端康成「玉台」 | トップページ | 川端康成「二十年」 »

川端康成「死顔の出来事」

あらすじ…妻の死顔が凄まじかったので顔をマッサージしてやったら安らかな死顔になった。

 恐ろしい形相で死んでそのまま硬直したということは、作品内では描かれていないものの何らかのマイナスの情念が妻の心にあったのでしょう。そんな状態で死なれたのでは、怨霊となって化けて出てきてもおかしくはない。

 では、何が彼女をそうさせてのでしょうか?
 ここから先は私の勝手な推理と空想ですので、当たっているかどうかの保証は全くありません。それでもよければ続きをお読みください。

 まず、最後の一文に注目しました。

 彼の少しきちがいじみた目を、妻の妹がこの世になく美しく澄んだ目で見返した。それからわっと泣き伏した。(P64)

 最後の最後で妻の妹が出てきたということは、この妹がキーパーソンではないかと勘繰りました。
 更にそこから空想を広げていくと…その妹が実は姉の夫に懸想していた。姉は女の勘でそれに気付いていて、自分の死後に夫を奪われるのではないかと危惧していたが病身ではどうにもならず口惜しい思いをしていた。その思いがあの死顔になった。妹はそれを見た時、心底ゾッとしたことでしょう。しかし、姉の夫がその死顔を安らかなものに変えてしまうと、ホッとすると同時にこの夫婦は愛し合っていたことを悟り、好きな男と姉の両方を失って泣き出した。…とまあ、こんなところですかね。

【参考文献】
川端康成『掌の小説』新潮社

« 川端康成「玉台」 | トップページ | 川端康成「二十年」 »

書評(小説)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/277935/45309403

この記事へのトラックバック一覧です: 川端康成「死顔の出来事」:

« 川端康成「玉台」 | トップページ | 川端康成「二十年」 »

最近のトラックバック

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31