渡辺温「男爵令嬢ストリートガール」
あらすじ…松原君が男爵令嬢と称する女・百合子と銀座でデートする。
ストリートガールの語について調べてみたら、街娼という意味だとのこと。街頭に立って客引きをする売春婦のことです。
だとすると、この百合子は娼婦であって、高野男爵の妹というのは嘘っぱち。とはいえそんなことは松原君の方も承知していると見えて、
『――百合子さんは一体何処で、男爵の兄さんと知り合いになったの?』(P240)
と訊いています。どうやら松原君は彼女を高野男爵の情婦だと思ったようです。百合子は否定しましたが、それもどこまでが本当やらわかったものではありません。
【参考文献】
渡辺温『渡辺温全集 アンドロギュノスの裔』創元社
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