森鴎外「追儺」
あらすじ…作者(森鴎外)は、M.F.君(福沢桃介)から、築地の料亭・新喜楽に招待される。早めに到着して待っていると、豆打ちが行われる。
前半は何を書こうかと迷走気味です。例えばカーニバルについてちょっと書いた後、
これは高慢らしい事を書いた。こんな事を書くはずではなかった。しかしままよ。一旦書いたものだから消さずに置こう。(P148)
なんて述べています。
漫画家が、ネタが出ないで苦しんでいるさまをネタにすることがありますが、これも似たようなところがあります。
それでようやく話らしい話が出てきたと思ったら、さして面白い展開も見せずに「話はこれだけである」(P154)と終わらせています。つまらん。
しかしながら、書くネタが思い浮かばなくて悶々とする気持ちは、ブログの執筆者として理解できますし、こうして駄作が生み出されてしまうのもやむを得ないと言えなくもない。まあ、私のレビューは森鴎外の諸作品と違って駄作が多いですがね。
« 瀬戸内寂聴「妲妃のお百」 | トップページ | リチャード・マシスン「おれの夢の女」 »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 樋口一葉「この子」(2023.05.16)
- 樋口一葉「わかれ道」(2023.05.15)
- 樋口一葉「うつせみ」(2023.05.14)
- 樋口一葉「ゆく雲」(2023.05.13)
- 樋口一葉「大つごもり」(2023.05.12)
コメント