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エリザベス・ボウエン「幽鬼の恋人」

あらすじ…第二次世界大戦下のロンドン。疎開先から荷物を取りに来たミセス・ドローヴァーは、自宅のテーブルの上に自分宛の手紙が載っているのを発見する。それは、第一次世界大戦で死んだ元婚約者からの手紙だった。

 当時婚約者だったKが死んだのは第一次世界大戦と書きましたが、あらすじを書き上げてからちょっと読み返してみると、作品内では第一次世界大戦とは書いていませんね。でも、「フランス戦線」「一九一六年頃」(いずれもP252)と出てくることから、やっぱり第一次世界大戦と見ていいでしょう。
 で、物語の舞台はその「二十五年」(P252)だから、物語の「現在」は一九四一年。第二次世界大戦の真っ最中ですな。

 ちなみに本作の原題は「Demon Lover」。GhostじゃなくてDemonです。Ghostなら死んだ人間がなるものですが、Demonは悪魔と訳されることがあり、元々人間じゃない。だとするとKも…。

【参考文献】
小野寺健編訳『20世紀イギリス短編選(上)』岩波書店

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