井伏鱒二「普門院の和尚さん」
あらすじ…小栗上野介について調べていた普門院の和尚さんが、上野介を斬首した原保太郎がまだ生きていたことを知り、会いに行く。
小栗上野介が死んだのが慶応4年(1868年)で、和尚と原保太郎が会ったのが昭和8年(1933年)。つまり65年もの開きがあります。
「いま時、小栗を斬首した男がこの世にいるとは思われない」(P157)と、もう死んでいると普通は思いますが、あにはからんや、まだ生きていたというのです。
う~ん、65年かあ…、歴史の生き証人に話を聞くにはギリギリといったところでしょうか。
【参考文献】
新潮社編『歴史小説の世紀 天の巻』新潮社
【関連リンク】
普門院
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