氏家琴子『三国志異聞 我、独り清めり 郭嘉物語』新風舎
あらすじ…陳群は郭嘉を不品行のかどでたびたび訴えていたが、曹操はまともに取り合おうとはしなかった。そんなある日、郭嘉の奉公人に12歳の美少年・蒋瑛がいることが知れ渡り、陳群がやってきて蒋瑛を自分の私塾に入れないかと言ってくる。
蒋瑛が、
(そう……僕だって、こんなに殿に惹かれてる。今夜だけは、殿が牽牛で僕が織女だと思っても、神さまは許してくれるだろうか)(P72)
と思ったり、第五章で蒋瑛が孔融にレイプされそうになったりするくだりを読んで、
「アッー! これはショタホモ小説だったのか」
と気付きました。12歳の美少年が登場した時点で気付くべきだったのかもしれませんが、あいにく私には寵童の趣味はないので、センサーに引っかかるのが遅れた次第です。
ちなみに、本作の中で郭嘉はノンケです。曹操との間にもホモ・ソーシャル的なものがあるようなものの、ホモ・セクシャルはないし、蒋瑛との関係だって…と、これ以上はネタバレになるので伏せておくことにしましょう。
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