無料ブログはココログ

« コナン・ドイル「昇降機」 | トップページ | コナン・ドイル「危険! ジョン・シリアス艦長の航海記録より」 »

コナン・ドイル「新発見の地下墓地」

あらすじ…古代ローマの遺跡と遺物の研究者・ケネディーは、同じ研究者のユリウス・ビュルガーが地下墓地(カタコンブ)を新たに発見したことを知り、場所を訊ねる。ビュルガーは、ケネディーがかつて一緒に駆け落ちしたものの破局したミス・メアリー・ソーンダースンとの関係について教えてくれたらという条件を出す。

 このレビューには本作の結末について若干のネタバレがあります。

 この後、ビュルガーはケネディーを地下迷宮の如き「新発見の地下墓地」に連れて行き、そこへ置き去りにしてケネディーを餓死させるという「完全犯罪」を成し遂げています。
 ただし、この方法には問題点があります。
 もしもこの時、ケネディーがペンとメモ帳をポケットの中に入れていたら、ケネディーは事の顛末を簡略にメモしていたかもしれないのです。例えば「ビュルガーにこのカタコンブへ連れてこられたけど置き去りにされた」と。
 全くの暗闇で字が書けるのかと思う人もいるかもしれませんが、物を書くのに慣れていれば多少は字が汚くなってもできないことはない。ましてやケネディーは研究者ですから、暗い遺跡の中でメモを取る作業くらい経験しているはずです。
 で、そのメモをパンツの中にでも隠しておく。もしも死体の第一発見者がビュルガーで、彼が他者を呼ぶ前にボディーチェックをしたとしてもそこまでは探らないだろうから、発見の段階で犯行は露見しない。しかし検死の段では死体を丸裸にするので、ここで初めてメモが明らかになり、ビュルガーへの告発状となります。

 残念ながらケネディーは手ぶらで来てしまったようです。迂闊迂闊。

【参考文献】
コナン・ドイル『ラッフルズ・ホーの奇蹟 ドイル傑作集5』東京創元社

« コナン・ドイル「昇降機」 | トップページ | コナン・ドイル「危険! ジョン・シリアス艦長の航海記録より」 »

書評(小説)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/277935/44233508

この記事へのトラックバック一覧です: コナン・ドイル「新発見の地下墓地」:

« コナン・ドイル「昇降機」 | トップページ | コナン・ドイル「危険! ジョン・シリアス艦長の航海記録より」 »

最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31