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室谷克実『日韓がタブーにする半島の歴史』新潮社

 新羅の王・脱解は倭種(P28)で、その大輔の瓠公は倭人だった(P40)とか、「三世紀になっても半島の刀剣は鋳鉄だったが、列島では一歩も二歩も進んだ鍛造品が造られていた」(P48)とか、檀君神話は漢字で四百字弱しかない(P151)とか、色々と衝撃的なことが書いてあります。
 P152-153には檀君神話の原文(もちろん漢文です)が丸々引用されているので、漢文解読に自信のある方は読み下しに挑戦してみるといいかもしれません(ちなみに出典は『三国遺事』)。

 それはさておき、第四章では高句麗の将軍・乙支文徳(ウルヂムンドク)を取り上げ、彼を「“世界卑怯者列伝”に載せるべき人物」(P119)と評しています。なぜ彼が卑怯者なのかというと、偽の降伏を申し入れて隋の大軍を騙し討ちにした(薩水大捷)からとのこと。
 だがちょっと待ってほしい。戦争では敵をだますことなどよくあることで、「偽の降伏申し入れ」だって戦史には幾つか存在します。例えば三国志の赤壁の戦いでは呉軍の黄蓋がこれをやったし(しかも苦肉の計で相手を信用させるという工夫までしている)、日本でも厳島の戦いで桂元澄が陶晴賢に内応の約束をして油断させている(当然ながら謀神・毛利元就の指示によるもの)。相手が強大でまともにぶつかればこちらに勝ち目がない場合、このテの奇計を駆使するのは弱者としては当然です。
 ただし、カンニングだとか(P137)スポーツの紳士協定破りだとか(P138)となると話は別で、これらは非難されてしかるべきだと思います。戦争とは違う。

【参考文献】
室谷克実『日韓がタブーにする半島の歴史』新潮社

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