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森鴎外「普請中」

あらすじ…渡辺参事官が普請中の精養軒ホテルでヨーロッパ人女性と会食する。

 「日本はまだ普請中だ」(P80)というセリフから、建設途上にある国家としての日本を表現して云々という評論で有名な作品(誰の評論だったか覚えていないが、大学の先生が話していたような気がする)。
 ただし今回は別のことについて少々。

 「キスをして上げても好くって。」(P80)

 という女のセリフからこの男女の関係がある程度推し計れます。即ち、キスをしてもよいほどの親しさはあるが、ズッコンバッコンするほどではない、と。いや、ひょっとしたら女は食事だけでなくセックスに発展することを期待していたのかもしれませんが、「ここは日本だ。」(P80)と言って顔を顰めた渡辺参事官の方にはその気はなかったようです。

【参考文献】
『森鴎外全集2 普請中/青年』筑摩書房

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