筒井康隆「アニメ的リアリズム」
バーで酔っ払った男が飲酒運転で事故死(?)するさまを、男の主観で描写したもの。
何が「アニメ的」なのかなあと思ったら、バーで飲んでいる客たちが動物の姿をしていることに気付きました。そういえば動物がこんなことしてるのって、アニメの世界くらいですねえ。
一方の「リアリズム」ですが、リアリズムとは何かについて議論をすると大変なことになってしまうので、リアルに迫ってくるような感じ、とボンヤリ把えておくことにします。で、他人から見ればただの迷惑な酔っ払いが目を回しているといったところですが、男の主観ではここに描写されている世界こそが「リアル」なのでしょう。
最後に一言:飲んだら乗るな。乗るなら飲むな。さもないとこいつみたいになるぞ。
【参考文献】
日本文藝家協会編『短篇ベストコレクション 現代の小説2011』徳間書店
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