江戸川乱歩「魔法博士」
あらすじ…魔法博士と名乗る怪人が少年探偵団の井上一郎と野呂一平を拉致監禁し、更には小林少年も捕えてしまう。そこで明智小五郎が乗り出す。
犯人は例によって例の如し。
さて、今回、二十面相は井上・野呂の両少年を閉じ込めておき、その替え玉を拵えて、彼らを使ってグーテンベルクの聖書を盗み出しています。
さすがに二十面相が変装の達人だと言っても、体格の違いすぎる子供には化けられないからこんな手段を用いたのでしょう。でも、学校や家庭で偽者だと看破されなかったのかな? 親しい友人や家族なら気付いてもよさそうなものだが…。もしも替え玉が学校にも家庭にも寄り付かなければ、バレる危険性は減りますが、そうなると本物は監禁されているのだから行方不明だと大騒ぎになって明智探偵事務所に連絡が行くはずです。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第19巻 十字路』光文社
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