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コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』新潮社

 シャーロック・ホームズシリーズの長篇。
 犯罪現場であるデヴォンシャーにホームズがなかなか現われず、ワトスンが孤軍奮闘するのを延々と見るのはしのびない…と思っていたら、実はホームズは…おっと、これ以上はネタバレになるので言えません。
 ちなみに、ホームズが超人的すぎて普段は目立たないものの、本作でワトスンはバリモア夫妻の秘密やローラ・ライオンズを突き止めるなど、探偵としてなかなか優秀なところを見せています。ただしおいしいところ(犯人を突き止める、犬をぶっ殺す等)はホームズが持って行っていますが。

筒井康隆「アニメ的リアリズム」

 バーで酔っ払った男が飲酒運転で事故死(?)するさまを、男の主観で描写したもの。
 何が「アニメ的」なのかなあと思ったら、バーで飲んでいる客たちが動物の姿をしていることに気付きました。そういえば動物がこんなことしてるのって、アニメの世界くらいですねえ。
 一方の「リアリズム」ですが、リアリズムとは何かについて議論をすると大変なことになってしまうので、リアルに迫ってくるような感じ、とボンヤリ把えておくことにします。で、他人から見ればただの迷惑な酔っ払いが目を回しているといったところですが、男の主観ではここに描写されている世界こそが「リアル」なのでしょう。
 最後に一言:飲んだら乗るな。乗るなら飲むな。さもないとこいつみたいになるぞ。

【参考文献】
日本文藝家協会編『短篇ベストコレクション 現代の小説2011』徳間書店

藤野可織「胡蝶蘭」

あらすじ…OLが朝の出勤途中、洋菓子店の戸口の胡蝶蘭の前に猫の生首があるのを発見する。彼女はその胡蝶蘭を貰い受けるが…。

 「(胡蝶蘭を)捨てるんなら下さい」と申し出るところや、男と肉体関係を持つところなどがカットされていて、一瞬「落丁かな?」と思いました。しかしこれはそういう技巧(テクニック)で、読者に「どう? ついてこれる?」と言っているような気がしないでもありません。
 さて、問題の胡蝶蘭ですが、そのうち触手プレイでもやり出しちゃうかもしれませんねえ。男と、女と、胡蝶蘭の3P。あんまり見たくないなあ。

【参考文献】
大森望・日下三蔵[編]『年刊日本SF傑作選 超弦領域』創元社

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫) Book 超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

販売元:東京創元社
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葉室麟『刀伊入寇 藤原隆家の戦い』実業之日本社

 時代小説といえば江戸時代を舞台にした作品が多く、次いで多いのが戦国時代。平安時代は少数派であり、その平安時代の中でも源平の合戦や、せいぜい平将門や安倍晴明を扱った作品が多いと感じています。そんな中、刀伊の入寇を扱った時代小説は珍しいなと思い、本書を読んでみた次第です。
 さて、実際に読んでみると、なかなか刀伊が入寇しない。3分の2ほど読み進めたところでようやくやって来ました。それまで何をやっていたかというと、京で花山院や藤原道長と権力闘争を延々と続けています。
 とはいえ、当時の複雑な人間関係や時代背景があまり頭に入っていない状態では、ある程度の頁数を割いてじっくり書いてあるのはありがたいと言えます。

刀伊入寇 - 藤原隆家の闘い Book 刀伊入寇 - 藤原隆家の闘い

著者:葉室 麟
販売元:実業之日本社
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横溝正史「海の一族」

あらすじ…友人Kが17世紀初頭に活躍した日本人海賊・篭手田助左衛門について語る。

 横溝正史にしては珍しい(?)時代小説。
 ただし、最後の方は宣教師ヌーノ・ド・メンドンサの伝聞情報で締めくくっており、失速の感が否めない。五兵衛が助左衛門のもとを離れてオランダ船で日本に送還された経緯も書かれていない(K君の先祖が書いた吟味覚書には書いてあるはずなのに!)し…。
 推測するに、これは作者が執筆途中で力尽きてしまったんじゃないでしょうか。

【参考文献】
横溝正史『横溝正史探偵小説コレクション(3) 聖女の首』出版芸術社

横溝正史「竹槍」

あらすじ…戦時中のとある村。老人や女子供に竹槍の訓練を指導していた老勇士・結城耕平が、取材に来た新聞記者に、アメリカ兵を竹槍で殺しまくった中国人の話をする。

 竹槍というものは手軽に作れる反面、耐久性に乏しいので使い捨ての武器といったところです。この作品の中の槍突き中国人も、おそらく竹槍を多量に用意していたことでしょう。
 そう考えると、資材の調達や保管、情報収集などで協力者がいてもおかしくはないのですが、犯人は協力者を明かさずに死んでいます。単独犯だと主張することによって仲間をかばったのかもしれません。

【参考文献】
横溝正史『横溝正史探偵小説コレクション(3) 聖女の首』出版芸術社

ベルトルト・ブレヒト『三文オペラ』長崎出版

あらすじ…女王陛下の戴冠式が行われようとしているロンドン。ストリートギャングの頭メッキ・メッサーは、乞食の元締ピーチャムの一人娘ポリーと結婚式を挙げるが、結婚に反対のピーチャム夫妻は手を回してメッキを指名手配させる。ポリーからの知らせでメッキは高飛びしようとするが、売春宿にしけ込んだところを逮捕された。一度は脱獄に成功するも再び逮捕され、いよいよ処刑されることになるのだが…。

 『三文オペラ』は「乞食のためのオペラ」(P7)ということで、どうにも安っぽい。実際に演劇を観たわけではないのですが、歴史劇に登場する勇壮な鎧兜も宮廷劇に登場する華麗なドレスもなく、登場人物の多くが社会の下層に属することなどを考慮すると、安っぽさは否定できないでしょう。
 尚、本作では「アウトオブ眼中」(P65)、「本心を打ち明けてくれてチョモロハ」(P112)など、砕けた表現(?)も散見されます(訳:酒寄進一)。だけど三文オペラにはそれがお似合いかもしれませんな。いえいえ、堅苦しくない作品だって意味で褒めてるんですよ。

 ところで、本作の主人公とも言うべきメッキ・メッサーは、この作品の中で名前が出てきただけでも4人もの女性(ポリー・ピーチャム、ルーシー・ブラウン、ジェニー、スーキー・トードリー)と関係を持っています。しかも、警察に追われた時にさっさと高飛びすればいいものを、売春婦のところへしけ込んでそこで逮捕されています(それも一度ならず二度までも!)。
 これらのことからメッキ・メッサーは、タイガー・ウッズやアーノルド・シュワルツネッガーのようなセックス中毒だったのではないかと推測いたします。

 ちなみに、最後の結末は…よくわからん。ネタバレになるから結末は伏せておきますけど、無理矢理感が満ち満ちているようです。

※アウトオブ眼中:眼中にないの意。チョモロハ:超もろハッピーの略で、「マンモスうれP」とほぼ同義であると推認される。

三文オペラ Book 三文オペラ

著者:ベルトルト ブレヒト
販売元:長崎出版
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江戸川乱歩「天空の魔人」

あらすじ…少年探偵団の小林芳雄、井上一郎、野呂一平の3人が長野県の温泉へ行く。折しもその近辺では巨人の手が出没して悪さをするという事件が続発していた。

 今回は少年探偵団シリーズでは珍しく、二十面相も明智小五郎も登場しません。少年3人(と警察)だけで解決しているところを見ると、今作の犯人はさほどの強敵ではなかったということなのでしょう。
 それにしても、たまたま行った旅行先で、名探偵の謎解きを必要とする難事件に巻き込まれる…って、それ何て名探偵コナン?

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第19巻 十字路』光文社

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江戸川乱歩(目次)

江戸川乱歩「黄金豹」

あらすじ…金色に輝く豹が出没しては宝石や現金が盗まれる事件が発生する。

 犯人は例によって例の如し。
 で、今回も例によって例の如く、最後は二十面相が捕まってメデタシメデタシとなります。しかしよく読んでみると、盗み出すのに失敗した純金の豹はともかくとして、盗み出すのに成功した宝石や現金は取り返された形跡がありません。
 まあ、二十面相が自分の私設美術館に収蔵しないようなもの、例えば普通の宝石などは闇ルートで売り払ってしまっているんでしょうねえ。何しろ二十面相は、大勢の部下を養ったり、仕掛けのあるアジトを拵えたり、新しいコスプレを作ったりと、色々と物入りですからねえ。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第19巻 十字路』光文社

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江戸川乱歩(目次)

サイゼリヤのドリンクバー

 値段が安いのでサイゼリヤをよく利用しているのですが、そのサイゼリヤのドリンクバーを使って色々な組み合わせのカクテルジュースが作れます。今回、某掲示板に投稿されていたレシピの一部を実際に試してみました。

(1)冷水+レモン
 口の中がスッキリするので、最後の締めに最適。甘ったるいジュースを飲みまくった後にどうぞ。

(2)C.C.レモン+アイスティー
 液体の色や泡立ち具合はビールに似ている。味はジンジャエールに近い。

(3)メロンソーダ+ミルク
 多少はクリームソーダっぽくなる。ただし、飲み終えた後にミルクの泡がグラス内に付着しているのが難点。

(4)なっちゃん+メロンソーダ
 メロンソーダの炭酸が微炭酸になり、味もまろやかに。ちなみに色は殆どメロンソーダ。

(5)ペプシコーラ+レモン
 作る際には投下するレモンの量に注意。あんまり入れすぎると、のどごしがきつくなる。

 他にも「白ぶどう+アイスティー」など様々な組み合わせがありますが、私の胃袋にも限度があるのでこれくらいにしておきます。興味のある方はご自身の胃袋と相談しながら挑戦してみるといいでしょう。

サイゼリヤ

江戸川乱歩「防空壕」

あらすじ…東京大空襲の中、とある防空壕に避難した市川清一は、その中で出会った女性とセックスしてしまう。その後、市川はその女性を探し回るのだが…。

 後半の「宮園とみの話」で、実は市川が情欲を抱いたのは…とオチがつくのですが、それに対してスケベおばさんなら、
「女はねぇ、いくつになっても女なんよ」
 と言うでしょう。
 え? どういうことかって? ネタバレになるので言いません。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第19巻 十字路』光文社

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江戸川乱歩「魔法博士」

あらすじ…魔法博士と名乗る怪人が少年探偵団の井上一郎と野呂一平を拉致監禁し、更には小林少年も捕えてしまう。そこで明智小五郎が乗り出す。

 犯人は例によって例の如し。
 さて、今回、二十面相は井上・野呂の両少年を閉じ込めておき、その替え玉を拵えて、彼らを使ってグーテンベルクの聖書を盗み出しています。
 さすがに二十面相が変装の達人だと言っても、体格の違いすぎる子供には化けられないからこんな手段を用いたのでしょう。でも、学校や家庭で偽者だと看破されなかったのかな? 親しい友人や家族なら気付いてもよさそうなものだが…。もしも替え玉が学校にも家庭にも寄り付かなければ、バレる危険性は減りますが、そうなると本物は監禁されているのだから行方不明だと大騒ぎになって明智探偵事務所に連絡が行くはずです。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第19巻 十字路』光文社

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江戸川乱歩(目次)

戦場でワルツを 完全版(2008年、イスラエル)

監督:アリ・フォルマン
出演:アリ・フォルマン、ミキ・レオン、オーリ・シヴァン、イェヘズケル・ラザロフ
英題:Waltz with Bashir

あらすじ…映画監督のアリ・フォルマンは兵役時代の友人から、レバノン戦争に関連した悪夢の話を聞き、自分にはその当時の記憶が全くないことに気付く。あの時に何があったのかを突き止めるべく、各地に散らばった戦友たちを訪ねて回る。そして、次第に恐るべき事実が明らかになってゆく…。

 この映画で取り上げられているのは、レバノン戦争と、その最中に起こったサブラ・シャティーラの虐殺(Sabra and Shatila massacre)です。サブラ・シャティーラの虐殺に関しては、wikipediaの日本語版には記事がないようでしたので、英語版のwikiを参照しました。
 こちらの記事の最初の段落部分を和訳してみました。

 サブラ・シャティーラの虐殺は、レバノン内戦中、1982年9月16日~18日に、ベイルートのパレスチナ難民キャンプで起こった。イスラエル国防軍が包囲する中、パレスチナ人・レバノン人はキリスト教徒のレバノンのファランジストによって虐殺された。その時、イスラエルはレバノンのPLOと戦争中だった。イスラエル軍はベイルートを占領し、パレスチナ難民キャンプを支配し、その街への入口をコントロールした。バシール・ジェマイエル(レバノンのマロン派教徒グループ、ファランヘ党の指導者で次期大統領)の暗殺後、レバノン民兵と呼ばれる集団が、キャンプに入って夜の間に住民を虐殺した。被害者数は700~800とも3500とも言われ(情報源によって異なる)、正確な数については議論が分かれる。

 レバノンのキリスト教徒グループ・ファランヘ党の指導者バシール・ジェマイエルが暗殺されたことの報復として、ファランヘ党の民兵たちが難民キャンプでパレスチナ人やレバノン人を虐殺した。しかもイスラエル国防軍は難民キャンプを包囲するという形でこれに「協力」した。この映画ではその現場にイスラエル軍の一兵士として居合わせてしまったアリは…と、さすがにその先は伏せておきましょう。
 ともかくも、この作品では子供の死体画像など、ショッキングな内容が盛りだくさんですので、気軽な気持ちでは観ないように。アニメだからって舐めてかかると痛い目を見ますぜ。

 最後に良かった点について。このようなアニメーションにすることで、夢の描写など抽象性・主観性の強い表現がうまくできています。

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販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2010/05/12
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江戸川乱歩「影男」

あらすじ…人間社会の裏側を探検する影男が活躍する。

 この作品は筋に一貫性がなく、影男はSMプレイを覗いたと思ったら悲惨な境遇にある一家を救ったり、秘密結社に潜入して死体を隠匿したり、殺人会社の顧問になったりと、短期間に様々なことをしています。
 さて、そんな影男ですが、最後は明智小五郎にうまくしてやられます。影男はけっして愚かな人物ではないし、実際、須原の謀殺を看破さえしているほどです。それがなぜこうなってしまったのかといえば、
(1)明智のやり方が巧妙で気付くのが遅れた。
(2)須原からの攻撃に気を取られていた。
(3)他にも手がけている案件があった。

 といったところでしょうか。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第18巻 月と手袋』光文社

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江戸川乱歩(目次)

アガサ・クリスティー「バグダッドの大櫃の謎」

あらすじ…エルキュール・ポアロがヘイスティングズを従えて、大櫃の中で殺されていたクレイトン氏の事件を捜査する。

 短篇なので、こちらがじっくり推理する前にポアロが解決してしまいました。まあ、短篇だからそれでいいか。
 ちなみに、真犯人の正体についてはあんまり意外ではありませんでしたな。詳細はネタバレになるので伏せますが、『アクロイド殺し』などに較べれば断然、生ぬるい。まあ、短篇だからそれでもいいか。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『マン島の黄金 クリスティー最後の贈り物』早川書房

アガサ・クリスティー「クリスマスの冒険」

あらすじ…エミリーおばさんが主催する、クリスマスのハウスパーティーに名探偵エルキュール・ポアロが参加していた。

「ポアロさんだけど、そもそもここでなにをしているのか、って」(P99)

 登場人物の一人のセリフで気付きました。ポアロが来ているのは犯罪絡みで内偵中なんだということを。
 とはいえ、読者はここで起こる事件の犯人を推理する必要はありません。ポアロがなぜ来たのかだって最後の種明かしでわかることですし、そもそもじっくり推理するほど長い話ではないからです。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『マン島の黄金 クリスティー最後の贈り物』早川書房

江戸川乱歩「黄金の虎」

あらすじ…魔法博士と称する雲井良太と、少年探偵団が知恵くらべをする。

 この雲井良太なる人物、巻末の註釈によると「まさに二十面相そのものであるが、犯罪を犯さず明智とも親しいという奇妙な存在である」(P637)とのこと。言い換えるならば、二十面相から泥棒の成分を取り去ったのが雲井ということになるのでしょう。と同時に、少年たちを相手にするというショタ属性はそのまま受け継がれているわけでして、本書でも井上一郎少年を誘拐したり小林少年を監禁したりしています。…ん? 犯罪を犯さず…?

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第18巻 月と手袋』光文社

【関連記事】
江戸川乱歩(目次)

アガサ・クリスティー「夢の家」

あらすじ…青年ジョン・セグレーブは夢の中で白亜の家を見てそれに取り憑かれ、色々あってアフリカで死ぬ。

 彼の見た一連の夢を、夢分析にかけてみたらどうなるんでしょうねえ。
 P32-33で黒ずくめの人たちが家から出てくるのは葬儀だなと見当がつきますが、その直後にアレグラ・カーの死を知らされたのはユングの言うシンクロニティというやつでしょう。
 他はちょっとわかりませんな。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『マン島の黄金 クリスティー最後の贈り物』早川書房

《早川書房》アガサ・クリスティー 中村妙子ほか訳マン島の黄金 クリスティー最後の贈り物 【中古】afb 《早川書房》アガサ・クリスティー 中村妙子ほか訳マン島の黄金 クリスティー最後の贈り物 【中古】afb

販売元:古書 高原書店
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江戸川乱歩「灰色の巨人」

あらすじ…灰色の巨人と名乗る怪盗が出現し、お宝を狙う。

 犯人の正体は例によって例の如し。
 ところで、物語の途中で少年探偵団がサーカスへ行き、盗まれた「にじの宝冠」を若い女性がかぶっているのを目撃し、そこから大捕物に発展します。
 犯罪の証拠となるようなものをわざわざ衆目にさらすのは危険です。さっさと二十面相の私設美術館に収蔵しておけばいいものを…。
 ひょっとしたら、「サーカスの女が本物の宝冠をかぶって登場するなんて誰も思うまい」とタカをくくり、スリルを味わっていたのかもしれません。迂闊ですねえ。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第18巻 月と手袋』光文社

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江戸川乱歩(目次)

江戸川乱歩「月と手袋」

あらすじ…ある月夜、シナリオライターの北村克彦は不倫相手の夫・股野重郎を殺してしまう。北村は巧妙なトリックを用いて自分に嫌疑がかからないようにするが…。

 トリックは「偉大なる夢」の使い回しですが、「偉大なる夢」は戦時中に書かれたプロパガンダ色のある作品なので、あんまり読まれていないはずです。
 まあ、トリックの使い回しなら珍しいことではありませんので、これ以上とやかく言うのはやめておきましょう。

 ちなみに、本作で明智小五郎の名前は出てきますが、彼自身が登場することはありません。花田刑事が容疑者に真理的圧力を加えるために彼の名前を持ち出しただけなのか、あるいは事前に相談していたのか。ちょっとわかりませんな。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第18巻 月と手袋』光文社

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コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの帰還』新潮社

 死んだ(ことになっていた)ホームズが生還する「空き家の冒険」、暗号を解読する「踊る人形」など10篇を収録。
 その中で「黒ピーター」(P166-200)だけが初見だったように記憶しているので、それについて少々。尚、黒ピーターといっても黒人ではなく、そういう綽名(あだな)だとのこと。
 で、その黒ピーターが何者かによって殺されたわけですが、ホームズは真犯人を別の用件で自宅に呼び寄せて逮捕しています。このシチュエーションは『緋色の研究』と共通です。シャーロック・ホームズをある程度知っている犯罪者(本書収録作品から挙げるとすれば、「空き家の冒険」のモーラン大佐など)には通用しない手法であり、アメリカ人や船乗りだから知らずにのこのことやって来たというわけですな。

シャーロック・ホームズの帰還 (新潮文庫) Book シャーロック・ホームズの帰還 (新潮文庫)

著者:コナン ドイル
販売元:新潮社
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門倉貴志『ゼロ円ビジネスの罠』光文社

 私がよく利用する「ゼロ円ビジネス」はフリーペーパー・フリーマガジンです。これらは有料のものに較べて広告が多く(広告依存型だからやむをえない)、記事に深みがないものが目立ちます(予算が少ないのでお金と時間をかけるのは難しい)が、それでも自分の知らない分野を広く浅く知るのには役に立ちます。
 でも、残念ながら本書ではこのフリーペーパー・フリーマガジンについてはあまり触れられてないんですよねえ。せいぜい、無料クーポン誌(P25)が出てくるくらいです。

ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書) Book ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書)

著者:門倉 貴史
販売元:光文社
発売日:2010/09/17
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門倉貴志『日本「地下経済」白書』祥伝社

 売春や密輸、窃盗などアングラ世界の経済を調べたもの。
 今回私が注目したのはプロの覗き屋グループ。

 日比谷公園をはじめデートスポットとして有名な全国の公園には、たいていプロのノゾキ・グループがいて、その公園におけるノゾキを取り仕切っている。
 彼らは一種の組合のようなものを作って団結しており、それぞれが自分の受け持つ縄張りを厳格に管理している。素人が勝手に縄張りに入ってノゾキをすれば、注意されるし、場合によってはボコボコに殴られることもある。
(P137)

 公園でイチャつくカップルを覗き見する人間がいることは知っていましたが、それが組織化されているとは知りませんでした。エロの道は多岐に渡っていて奥が深いんですねえ。
 それはさておき、夜の公園でイチャイチャしようと思っている人は、彼らに覗かれることを覚悟しておかないといけませんな。覗かれるのが厭なら自宅かラブホへどうぞ。
 いや寧ろ、赤の他人に秘事を見られることで快感を得られる変態カップルなら…と、これくらいにしておきましょうかね。あんまりエロい方にそれるのも困りものですからね。

日本「地下経済」白書(ノーカット版)―闇に蠢く23兆円の実態 (祥伝社黄金文庫) Book 日本「地下経済」白書(ノーカット版)―闇に蠢く23兆円の実態 (祥伝社黄金文庫)

著者:門倉 貴史
販売元:祥伝社
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江戸川乱歩「化人幻戯」

あらすじ…青年・庄司武彦は大河原義明元侯爵の秘書となり、大河原氏の屋敷に住み込む。次第に彼は、若く美しい由美子夫人に思慕の念を抱くようになるが…。

 江戸川乱歩の還暦記念作品。大人向けということで「8 浴室痴戯」(P299-309)のようなエロシーンがあったりします。渡辺淳一の小説のベッドシーンに較べれば控え目ですが、それでも子供には見せられませんな。
 それはさておき、今回の明智小五郎は犯人逮捕と殺人防御の両方に成功しており、これは大手柄の部類に入るでしょう。詳しいことを話すとネタバラシになるので伏せますが、犯人の言動から判断するとどうやら明智に自分の正体を突き止めてもらいたかったようで、それが事件解決に寄与しています。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯』光文社

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江戸川乱歩(目次)

Noz by Calie DIVISM No.11

 渋谷で入手しました。誌名の「Noz by Calie」は「ノズ バイ カリエ」と読みます。
 P16-19で女性のヘア・アレンジを取り上げていることから本誌は女性向けであることがわかります。
 又、「The World's First Class Lounges」(P12-15)でドバイやシンガポールの空港のファーストクラスラウンジを、「The new born five-star hotel in Hong Kong」(P20-21)では最高級ラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン香港」を紹介しています。ということは、飛行機のファーストクラスに乗って海外へ行き、5つ星ホテルへ宿泊するような富裕層をターゲットにしているのでしょうかねえ。

Noz

ハマジン vol.24 2011.10

 横浜のフリーマガジン。渋谷で入手しました。
 なぜ横浜のフリーマガジンを渋谷で入手することができたかというと、横浜~渋谷は東急東横線が通っているため、渋谷の道行く人に「東急東横線があるんだから横浜へいらっしゃい」と誘いをかけているのでしょう。
 さて、今号の特集記事は「特集1 横浜でアートな秋」(P12-20)。芸術の秋ですねえ。
 ちなみに私は以前、ちょっとした所用で横浜へ行った折に空き時間を利用して横浜美術館へ行ったことがあります。平日の昼間でしかもそれほど人気のある企画展ではなかったためか、館内は閑散としていましたな。

ハマジン vol.24 2011.10

北海道新聞取材班『検証・「雪印」崩壊 その時、何が起こったか』講談社

 2000年に起きた雪印乳業の集団食中毒事件、2002年に発覚した雪印食品(雪印乳業の子会社)の牛肉偽装事件、そして雪印の「解体」(P288)を追ったもの。
 北海道新聞の記事を加筆修正したものということで、文章はシンプルにまとめられています。その反面、深い考察や分析はないのでそちらは他の書に当たらなければなりません。
 とはいえ、表層的にせよ一連の経過をたどるのには役に立ちます。例えば社長が「私だって寝てないんだ」(P52)と言い放ったのは、2000年7月4日という雪印崩壊の序章の段階であったことがわかります。雪印にとって、本当の地獄はこれからだ…ということだったのですな。

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販売元:ブックセンターいとう
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江戸川乱歩「兇器」

あらすじ…鑑識係の庄司専太郎が、名探偵明智小五郎に事件の相談をする。

 全五話の短篇。五話目に種明かしとなりますが、四話目を読み終えた段階で犯人と凶器を当てることはそんなに難しいことではないでしょう。特に、江戸川乱歩の推理小説を幾つも読んできた人にとっては。
 え? 私ですか? もちろん犯人も凶器も当てましたよ。共犯者の有無は外しちゃいましたけど。

【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯』光文社

江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯 (光文社文庫) Book 江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯 (光文社文庫)

著者:江戸川 乱歩
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

納豆スパゲティ

 電子レンジでパスタを茹でることができるというプラスチックの調理器具を近所の百円ショップで購入してからというもの、「とりえあずスパゲティでも」ということが多くなりました。その中でも1番手軽なのが納豆スパゲティ。茹でた麺によくかき混ぜておいた納豆を和えるだけという簡単なものです。

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製本の切れ端

 神保町の三省堂書店に行ってみたら、製本を裁断する際に出る切れ端が置いてあって、「ご自由にお取り下さい」とあったので入手してきました。
 使い方としては、メモ帳にもなるし、ちぎって付箋代わりにもできます。

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