エドガー・アラン・ポー『メールシュトレームの大渦』
あらすじ…海の上に突如として出現する巨大な渦「メールシュトレームの大渦」。それに巻き込まれて九死に一生を得た老漁師がその時のことを語る。
そういえば今年の夏、川の渦に巻き込まれて渡し舟が転覆し、死者が出たという事件がありましたっけ。もちろん本作のメールシュトレームの大渦に較べれば圧倒的に小規模なのでしょうが、それでも人命を奪っているのだから油断はできない。
それはさておき、語り手の老人が最後に「あんたがこの話を信じるとはおれは思っていない」(P151)と言って話を締めくくっています。ひょっとすると今までにこの体験談を様々な人に話してきて、あんまり信じてもらえなかったので、「そうせこいつに話しても信じちゃくれねえだろ」と思ったんじゃないかと推測します。
【参考文献】
西崎憲編訳『エドガー・アラン・ポー短篇集』筑摩書房
![]() |
![]() |
エドガー・アラン・ポー短篇集 (ちくま文庫) 販売元:筑摩書房 |
« エドガー・アラン・ポー「ヴァルドマール氏の死の真相」 | トップページ | 江戸川乱歩「偉大なる夢」 »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 樋口一葉「この子」(2023.05.16)
- 樋口一葉「わかれ道」(2023.05.15)
- 樋口一葉「うつせみ」(2023.05.14)
- 樋口一葉「ゆく雲」(2023.05.13)
- 樋口一葉「大つごもり」(2023.05.12)
コメント