江戸川乱歩「新宝島」
あらすじ…長崎で海賊に誘拐・拉致された少年3人(琴野一郎、前田保、西川哲雄)は、隙を突いてボートで脱走するものの、嵐に巻き込まれて南洋のとある島に漂着する。その島でサバイバル生活をするのだが…。
少年たちは動物を連れて探検しています。犬のポパイは狩猟や行方不明者の捜索などで結構活躍するのですが、メガネザルとオウムは特にこれといった活躍を見せることなく死んでいます。
何だよ、犬はともかく猿と鳥は役に立ってねーじゃんかよ…と、ここで気付いたのが犬・猿・鳥の組み合わせ。これって『桃太郎』ですな。
ちなみに、メガネザルとオウムについて少々弁護しておきます。犬のポパイは自ら志願した形で仲間に加わっているのでモチベーションが高い。それにひきかえ、メガネザルとオウムは少年たちが捕まえてヒモでくくりつけて無理矢理連れ回している(海賊が少年たちにやったことと同じようなことをしているが、当然ガキどもは無自覚)から、少年たちのために何かしてやろうなんて気は別にない。寧ろ隙あらば逃げ出したいと思っていたことでしょう。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第14巻 新宝島』光文社
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新宝島―江戸川乱歩全集〈第14巻〉 (光文社文庫) 著者:江戸川 乱歩 |
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