アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』早川書房
あらすじ…村のお金持ち、ロジャー・アクロイド氏が殺された。しかも最有力容疑者である彼の義子ラルフ・ペイトンは行方不明だった。村で隠居生活を送っていた名探偵ポアロが、シェパード医師を従えて捜査に乗り出す。
ビンゴ! 私はアガサ・クリスティーとは相性が悪くて、彼女の作品では犯人を当てたことが一度もなかったのですが、今回は犯人を当てることに成功しました。以下、ネタバレにならない範囲内で、どうやって真犯人にたどり着いたのかを述べてみることにします。
まず、この作品を読む前に『アクロイド殺し』は犯人について賛否両論が激しく巻き起こったという予備知識を持っていました。だとすれば、犯人はとても意外な人物に違いないと判断しました。
それでは、この物語の中で、犯人として意外性を持つ人物とは誰でしょうか? 真っ先に思いついたのがエルキュール・ポアロ。しかし彼はその後も名探偵として活躍しているから、ここで殺人を犯すことはありえない。
次いで考えたのがアクロイド氏が他殺に見せかけた自殺説。しかしこれはナイフを刺した位置などから否定できる。
次は、最も疑わしいラルフ・ペイトン。一番疑わしい人間が犯人じゃなかったというパターンの裏を突いて…というものですが、そのテは『スタイルズ荘の怪事件』で使用済みだから賛否両論で揉めるなんて特記されることはない。
それでは、物語中でちょっとしか出番を与えられていないチョイ役たちは…意外性に欠ける。
そうやって消去法で探して行くと、最後に残っているのはこの人物くらいだなと見当をつけて読み進めてみたら、的中してしまったという次第です。
以上、長々と自慢気に書きましたが、それというのもアガサ・クリスティーの作品で犯人を当てることができてテンションが上がってしまったからなのです。
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アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 著者:アガサ クリスティー |
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