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半村良「箪笥」

あらすじ…昔、市助という男がいて、市助の三歳になる息子が、夜になるとタンスの上に座って夜明けまでそのままでいるという奇行を続けていた。市助はビックリして止めるが、他の家族の者はなぜか放っておく。そのうち、他の子供たちもタンスに上るようになり…。

 なぜ夜になるとタンスの上へあがって座るのか? 語り手によると、「そやけど、よう言えんわ。かくしとるのやのうて、言葉ではよう言いきかせられんのや」(P252)とのこと。
 想像するに、タンスの上に座っていれば、日常生活で起居している状態よりも高い視点で部屋の中を見ることができます。そこは見慣れた光景なのに、いつもと違う。しかも時は夜です。日常風景の中に異界性を見てしまい、そちらの世界に心をとらわれてしまうのではないでしょうか。
 あ、ちなみに私は試してみようとは思いませんよ。私がタンスに上ったら、重すぎてタンスが壊れてしまうでしょうから。

【参考文献】
紀田順一郎・東雅夫編『日本怪奇小説傑作集3』東京創元社

日本怪奇小説傑作集 3 (創元推理文庫) Book 日本怪奇小説傑作集 3 (創元推理文庫)

販売元:東京創元社
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