ロバート・ファン・ヒューリック『東方の黄金』早川書房
あらすじ…唐の時代。海沿いの僻地の町・平来(ポンライ)で知事が何者かに殺された。狄仁傑(ディー判事)は新任の知事として平来へ赴き、知事暗殺事件を捜査する。
ディー判事の劈頭を飾る作品。本書の「著者まえがき」によると、
『東方の黄金』は、狄判事が初めて官途につき、山東省の東北沿岸に面した港町の平来知事に任ぜられた三十三歳のころに時をさかのぼる。(P11)
ちなみに本編の中でディー判事が、「長いひげを二つに分け、うなじで束ねる」(P22)という描写があるくらい、長いひげの持ち主です。本当にこれで33歳か?
それから、肝心の謎解きについてはネタバレになるので伏せておきますが、前知事(王徳化)の兄が何らかの鍵を握っているという直感は的中しました。又、官邸に出現した幽霊が、誰かの変装だと看破することもできました。
もっとも、今回の謀略の黒幕については想定外でした。まさかそんなところにいたとは…。
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東方の黄金 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1804) 著者:ロバート・ファン・ヒューリック |
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