江戸川乱歩「少年探偵団」
あらすじ…東京に黒い怪人物が出没し、市民を恐怖に陥れていた。そんなある日、少年探偵団の一人・桂正一君が怪人物を目撃し追跡するが、墓地で見失ってしまう。
「怪人二十面相」の続篇。今回も明智小五郎と少年探偵団が登場します。それから、ネタバレになりますが、二十面相も登場します(目次を見ただけでもそれはわかる)。
二十面相によると、前回の最後で捕まったのは二十面相の部下だったとのことですが、この際、そんなことはどっちだっていいような気がしてきました。手に汗握る大冒険活劇を展開するためには、多少の無茶な設定に目をつぶることも時には必要ですから。
ちなみに、今作の最後で二十面相は自爆していますが、「不思議なことに、怪盗の死骸は勿論、三人の部下の死骸らしいものも、全く発見することが出来ませんでした」(P190)と、明らかに生存フラグを立てています。「俺たちの戦いはこれからだ!」状態のようです。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第12巻 悪魔の紋章』光文社
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