三島由紀夫「仲間」
あらすじ…ロンドンを徘徊する父子がいた。ある晩、一人の男と出会い、その男の家に招待される。
本作品収録の文庫本が副題に「吸血鬼ホラー傑作選」とあることから、この謎の父子が吸血鬼らしいということは言えます。しかし、彼らが吸血鬼だとしても、子供が煙草を吸ったり、外套を脱ごうとしないなどの理由を説明しきれるものではありません。
又、本作は子供の視点で描写されているため、大人たちの込み入った会話は省かれており、それがさらに謎を増進する効果を持っています。
…え? 謎の解明? それならロンドンにはシャーロック・ホームズがいるから彼に頼むといいでしょう。あるいは吸血鬼退治なら、ヴァン・ヘルシング教授がいい。
【参考文献】
東雅夫=編『血と薔薇の誘う夜に 吸血鬼ホラー傑作選』角川書店
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