加藤隆『一神教の誕生――ユダヤ教からキリスト教へ』講談社
本書の内容を以下に簡潔に紹介しようかと思っていたら、本書あとがきに丁度いい説明がありましたので引用します。
本書は、ごく普通のタイプの民族宗教だったユダヤ教がどのようにして本格的な一神教的宗教となったのか、その問題との関連でキリスト教の成立はどのような意味をもっているのかについて、できるだけ簡潔に示そうとしたものである。(P290)
イスラム教はガン無視ですか。まあいいや、イスラム教についてはイスラム学の専門家に譲るということなのでしょう。
ちなみに、ユダヤ教が「ごく普通のタイプの民族宗教だった」と述べていることについて違和感を持つ方もいるかもしれませんが、本書によると「ヤーヴェ崇拝の成立とそれに続く時期におけるユダヤ教は、御利益宗教的なものである」(P56)とのこと。どうして御利益宗教的と言えるのか、そしてなぜ今はそうでなくなったのかについては、説明すると長くなるので知りたい方は本書をお読みくださいとしか言いようがない。しかしいずれにせよ、時代によって変容していることがわかります。
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一神教の誕生−ユダヤ教からキリスト教へ (講談社現代新書) 著者:加藤 隆 |
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