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岩井志麻子「死神に名を贈られる午前零時」

あらすじ…通販番組の雛壇に座る程度の仕事しかないタレントの山本直子(芸名:やまもと菜穂子)は、午前零時を過ぎると、「もう一人の自分」がふうっと虚空に浮かび上がる。

 岩井志麻子といえば明治時代の岡山を舞台にしたホラーが有名ですが(例:「ぼっけえ、きょうてえ」)こちらは現代の関東が舞台となっています。そのため、山本直子の周辺には田舎の民俗や極限状態の貧困といったものがなく、その方面での怖さがない分、他の要素で怖さを紡ぎ出さないといけません。では、他のホラー要素となると…。
 それはさておき、私は今、ローカルテレビ局の通販番組を観ながらこのレビューを書いています。ローカル局は予算が少ないから、このような通販番組をしょっちゅうやっているのです。
 で、私が観ている番組には雛壇に座ったタレントたちこそいないものの、画面に映らない観客たちの「ああ~」とか「おお~」とかのわざとらしい声が耳につきます。ちなみに扱っている商品はスチームで清掃をする道具ですが…。
 と、ふと気付いて読み直してみたら、この作品は通販番組が舞台なのにも関わらず、肝心の商品が一つも登場しないことに気付きました。おそらく、作者(岩井志麻子)にとっても、主人公(直子)にとっても、商品なんてどうでもいいのでしょう。

【参考文献】
『午前零時 P.S.昨日の君へ』新潮社

午前零時―P.S.昨日の私へ (新潮文庫) Book 午前零時―P.S.昨日の私へ (新潮文庫)

著者:鈴木 光司,朱川 湊人,恩田 陸,貫井 徳郎,坂東 眞砂子
販売元:新潮社
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