池波正太郎「応仁の乱」
応仁の乱に際し、全く無力であった室町幕府八代将軍・足利義政の苦悩を描いた中篇。
ところでシミュレーションゲーム「信長の野望 天道PK」では「朝敵砲」なる必殺技が登場しますが(※)、本書でも「[山名持豊討伐]の院宣」(P143)という形で朝敵砲が発動されています。ただし、その後も戦いが終息せずにダラダラと続いているところを見ると、戦局を決定付けるほどの力は無いようです。
まあ、無力さという点では全然イニシアチブを発揮できない足利義政も負けず劣らずといったところですが。
【参考文献】
池波正太郎『賊将』新潮社
※正確には朝廷に働きかけて敵対勢力を「朝敵」に指定してもらうというもので、本作の院宣と同様、物理的なダメージを相手に与えられるわけではない。
« レギオン(2010年、アメリカ) | トップページ | 飯倉義之編『ニッポンの河童の正体』新人物往来社 »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 大前粟生「タンを待ちながら」(2025.01.28)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(6)ボズワースの戦い(2024.06.06)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(5)第二の求婚(2024.06.05)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(4)処刑と暗殺(2024.06.04)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(3)アン・ネヴィルへの求婚(2024.06.03)
コメント